村上大祐市長(左)と嬉野茶の輸出可能性について話すシンガポールの茶卸業者・キャリー・チェン・チュンジンさん(中央)=嬉野市役所塩田庁舎

 嬉野茶の生産現場を知ろうと、シンガポールの茶卸業者が29日まで、嬉野市内を視察した。訪れたのは、嬉野の茶卸業者が輸出を見据えて1月にテストマーケティングをした際、会場を提供したキャリー・チェン・チュンジンさん。嬉野茶の歴史や若い茶業者がいる点を評価し、「こうした茶のストーリーが外国の人の関心を引く」と海外展開に向けた可能性を示唆した。

 

 チェンさんは21日から嬉野のほか、有田町や長崎県東彼杵郡などを訪れ、テストマーケティングで親しくなった嬉野の茶卸業者ら5人と、茶の生産現場や茶器などを見て回った。29日には村上大祐市長を表敬訪問し、「5人と再会し、関係を深めると同時に、産地を訪れお茶についての思索を深めることで、販売する上での方向性を決めるきっかけにしたい」と今回の訪問の目的を語った。

 市は2016年、日本貿易振興機構(ジェトロ)佐賀貿易情報センターの協力で輸出販売戦略を策定した。今年1月には市内の茶卸業者らがシンガポールでテストマーケティングを実施。チェンさんの店で、現地のレストランや高級ホテルの関係者、トップブロガーらに嬉野茶を提供した。それを契機に現在、輸出に向け複数の商談が進んでおり、そのうち1件は具体的な取引内容を詰める段階に至っているという。

 チェンさんは嬉野茶の海外展開について「若い世代の担い手がいることと、それ以上に歴史があることが重要。お茶自体にも力がある」と太鼓判。村上市長は「嬉野茶は単なる特産品を超えて市民のプライドそのもの。私たちもシンガポールの皆さんに極上のお茶を届けられるよう努力したい」と応じた。

このエントリーをはてなブックマークに追加