気温の低下で来店客が伸び悩む中、全国の駅弁などがそろう人気の食品催事は好調だった=佐賀市の佐賀玉屋

 2月の県内経済は、機械・電機が好調を維持したものの、個人消費に弱さが見られた。大雪の影響で大型店の来店客数は伸び悩み、バレンタイン商戦も盛り上がりに欠けるなど節約志向が依然続く。一方で、春節(旧正月)の連休には多くの外国人観光客が県内を訪れた。

 機械・電機は、自動車や食品関連が好調を維持した。官公庁からの受注もあるが、人手不足が課題となっている。

 大型店は宝飾品やテレビ、加湿器が動いたものの、春物衣料やパン、乳製品が伸び悩んだ。バレンタイン商戦の売り上げも前年に届かなかった。大雪の影響で野菜の価格が高止まりしている。

 旅館は中国や香港、韓国からの旅行客でにぎわった。城郭見学や温泉など地域色のあるスポットが人気を呼んだ。

 雪の影響が大きかったのが陶磁器。北陸地方の旅館に出張できず、業務用食器の売り上げが減少した。ゴルフ場も、積雪で臨時休業を余儀なくされる施設が出た。

 

寒さ、風邪予防で家電好調

【商況】

 ◇…大 型 店…◇

 寒い日が続き、売上高、来店客数ともに前年実績をわずかに下回った。例年この時期に開いていたイベントを夏にずらした影響も大きかった。紳士服や全国の駅弁・食品を集めた催事、雑貨は前年実績を上回った。宝飾品も2桁伸びたが、紳士服や生鮮、バレンタイン商戦は苦戦した。

 (小笠原浩幸・佐賀玉屋営業企画部長)

 売上高は前年実績をやや上回った。売り上げ比率の高い野菜価格の高止まりが要因で、精肉の価格も上がっている。バレンタインデーのチョコレートはいまひとつだったが、恵方巻きは好調。ハンカチなど雑貨の売り上げも伸びた。衣料品は、寒さが続いたことで春物が伸び悩んだ。

 (森雅信・イオン佐賀大和店店長)

 全体の売上高は前年並み。安売りセールや野菜の高値が数字を押し上げた。週末となった節分の恵方巻きも前年実績を上回ったが、消費者の節約志向は根強く、生鮮を除くパンやカレー粉などは厳しかった。気温が上がらず、牛乳やヨーグルトの売れ行きもいまひとつだった。

 (宮崎祐輔・スーパーモリナガ店舗運営部マネジャー)

 ◇…電 化 製 品…◇

 売上高、来店客数ともに前年実績を上回った。寒い日が続き、急激な温度差による健康被害「ヒートショック」対策の浴室やトイレのリフォームが好調。インフルエンザの流行を受けて空気清浄機付きの加湿器も伸びた。平昌五輪効果でテレビの買い換えが進み、有機EL搭載型も計画を上回った。

 (池上英治・エディオン佐賀本店店長)

 

【食料品】

 

 ◇…  茶  …◇

 全体的には前年並みの動きだったが、下級品のほか、粉茶や茎茶などの出物類が不足気味で引き合いが強まり、特上品も不足感がある。一番茶の上級品は、新茶の時期が見えてきたこともあり、大量の取引は落ち着いてきた。

 (小野原栄信(ひでのぶ)・県茶商工業協同組合理事長)

 ◇…製   麺…◇

 全体の売上高は前年並みだった。消費が大きく伸びる要素はない中で、輸入小麦の政府売り渡し価格が4月から約3・5%上がる。段ボールなど資材の仕入れ価格も上昇しており、利益確保のためには消費者や販売店など顧客の理解を得ながら、製品の値上げを検討していく必要がある。

 (古賀義治・県製粉製麺事業協同組合理事長)

 

【機械・電機】

 

 ◇…機械・電機…◇

 自動車や食品製造などで受注が引き続き、好調に推移した。官公庁からの受託も底堅く、製造現場の人手不足感が高まっている。年度末の納期に向けて追い込みの時期に入る。現場はさらに忙しくなるだろう。

 (中村敏郎・県工業連合会会長)

 

【運輸】

 

 ◇…バス・タクシー…◇

 乗り合いバスの運送収入は前年同月比1・8%の減。高速バスは寒波の影響で天神地区への買い物や旅行需要が落ち込み、9・9%減だった。貸し切りバスは、県外や国外からの団体ツアー利用が振るわず19・1%の大幅減。タクシーは前年並みで推移した。

 (江上康男・県バス・タクシー協会専務理事)

 

【石油】

 

 ◇…石   油…◇

 県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格は前月より2円10銭高い148円60銭。原油高の影響で、灯油も店頭価格(18リットル)は31円高い1637円だった。

 1月のガソリン、軽油の販売量はいずれも前年同月比1・3%の減。元売りメーカーの統合を見据えた取引が活発だった前年の反動が出た。灯油は気温の低下で需要が伸び、20・2%増だった。

 (光武繁・県石油商業組合専務理事)

 

【紙・印刷】

 

 ◇…印   刷…◇

 小売店や飲食店のチラシ印刷が減り、全体の売上高は前年実績にわずかに届かなかった。スマートフォン向けアプリケーションの割引クーポンが普及してきたことが響いている。人手不足で依頼が増えつつある求人チラシの取り込みに力を入れたい。

 (平川直樹・県印刷工業組合理事長)

 

春節で中国人客増

 

【レジャーサービス】

 

 ◇…旅   館…◇

 寒さが続いた影響で、宿泊客数は前年同月をわずかながら下回り、平均稼働率は70%を割り込んだ。外国人客は好調で、韓国や香港からの来客が目立つ。唐津城や曳(ひき)山(やま)展示場などへの観光が人気だ。6月の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に伴う民泊事業者の動きは唐津地区では見られず、影響もまだ把握できていない。

 (松下隆義・唐津市旅館協同組合理事長)

 温泉街で開かれた「うれしのあったかまつり」などのイベントがけん引し、宿泊客数は前年実績を上回った。春節(旧正月)の大型連休で中国人客も増えた。温泉人気の高まりを受けて、3~4泊の予定で宿泊先を変えながら、嬉野温泉に滞在する外国人が増えているようだ。

 (池田榮一・嬉野温泉旅館組合理事長)

 ◇…ゴ ル フ…◇

 県内施設の来場者数は伸び悩み、1月に続いて前年実績を下回った。積雪のため臨時休業した施設もあり、予約も低調だった。プレーヤーの高齢化が進み、天候悪化で予約を控えたり、キャンセルしたりする傾向が強まっている。若い世代をいかに取り込むかが課題になっている。

 (毛利雄治・九州ゴルフ連盟支配人部会県代表幹事)

 

【ICT】

 

 ◇…I C T …◇  年度末に向けた繁忙期に入ったが、目立った動きはなく、売り上げは前年並みだった。人手不足の影響もあるのだろうか、仕事の依頼は従来のセキュリティー対策から業務改善システムの構築が多くなっている。今後は定型業務を自動化する「RPA」や人工知能(AI)の導入などで新事業を展開させたい。

 (伊東正孝・県ソフトウェア協同組合理事)

 

 

2カ月連続前年下回る公共工事請負金額

 

【建設】

 

 ◇…建   設…◇

 県内の公共工事の請負金額は前年同月比54・6%減で、2カ月連続で前年実績を下回った。前年に補正予算に伴う工事があった反動で、発注者別では国、県、市町、独立行政法人全てで落ち込んだ。特に国は大型工事が少なく、98・3%の大幅減だった。

 1月の住宅着工は7・0%減の397戸だった。

 (中島博文・県建設業協会専務理事)

 ◇…不 動 産…◇

 分譲物件は地域や価格で取引に温度差がみられた。地区別にみると、佐賀は分譲地が動いたが、中古住宅の契約率は低下傾向。鳥栖三神は商業地で動きが鈍く、杵藤は高い物件で買い手が付かない状況にある。伊万里は建築条件付きの分譲地が余剰気味で、唐津はリフォーム済みの中古住宅に人気が集まっている。

 賃貸は新年度の引っ越し時期が迫り、比較的新しく、低家賃の物件で取引が本格化してきた。

 (山口英則・県宅地建物取引業協会地域振興委員長)

 

業務用食器が不振

 

【窯業土石】

 

 ◇…陶 磁 器…◇

 大雪の影響で北陸地方を中心に営業ができなかった地域があり、売り上げは前年比7・64%減だった。業務用食器の買い控えもあるが、東京五輪に向け首都圏では器の動きが出始めたと聞く。品質と価格のバランスを取るとともに、納期短縮を目指すなど、顧客のニーズに応える商品作りがこれまで以上に重要になる。

 (原田元・県陶磁器工業協同組合理事長)

 前年比7・10%の減。大雪の影響もあり、全体的に動きは低調だった。原材料や流通コストの上昇で、利益率確保が厳しさを増していることも懸念材料となっている。ただ、首都圏で開催したホテル・レストランショーなどの文化催事は好調だった。数字につながったところもあり、今後の商談に期待する。

 (藤雅友・肥前陶磁器商工協同組合専務理事)

 前年比5・99%減と全体的に落ち込んだ。北陸地方に取引先があるところもあり、大雪の影響が響いた。ギフトショーも期待したほどは延びなかった。加盟社が団地の魅力を創出するプロジェクトに取り組み、集客増を図っている。組合もネットを使った商品アピールの講習会を開くなど、一体で取り組みたい。

 (原口秀夫・有田焼卸団地協同組合専務理事)

 ◇…陶   土…◇

 前年比4・3%減と厳しい状況が続く。波佐見、有田両地区とも、新企画や催事などは活気があるが、既存の商品が動かず、数字につながらない。有田焼創業400年の節目を終え、昨年から5%前後の落ち込みが続いている。東京五輪需要がどれほどあるのか、先が見えない状況で苦慮している。

 (一ノ瀬秀治・肥前陶土工業協同組合主事)

 

【木製品】

 

 ◇…家   具…◇

 組合の調査によると、売上高は前年並みとの回答が7割を占めた。進学や就職に伴う新生活需要も例年並みだったようだ。「増えた」とした組合員は全体の1割にとどまったが、デザイン事務所などと連携し、ホテルやレストランなどからまとまった注文を受けており、企業への営業を強化する上で参考になる。

 (平田尚士・諸富家具振興協同組合副理事長)

 ◇…建   具…◇

 組合の資材共同購入額は前年同月比50・1%増と大幅に伸びた。一般住宅の注文が減少傾向にある中で、病院や福祉施設など大型工事の受託が数字を押し上げた。一時的な需要とも言えるが、昨年10月から4カ月連続で前年実績を上回っており、本年度の年間計画も達成した。

 (石井敏明・県木工業協同組合理事長)

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