伊万里市中心部に完成したオフィスビル。市が事務系企業誘致のため2、3階部分を借り上げているが、現在の入居契約はゼロだ=伊万里市立花町

 佐賀県が事務系企業の誘致策として取り組む「さが創生オフィススペース創出事業」が振るわない。市町が物件を準備し、入居がない場合に県が家賃を補償する仕組みだが、運用が始まった本年度は1社の入居しかなく、空室が目立つ状況が続いている。これまでに県と佐賀市、伊万里市で空室分の家賃計約1500万円を公費負担し、今後もかさむ可能性がある。

 事業は、情報サービスなど事務系の仕事を志向する若者の受け皿づくりを目的に、県が立案した。

 実施主体は市町で、民間施設を借り上げるなどしてオフィススペースを確保し、県とともに誘致活動を行う。入居がなく賃料を得られない場合は、県が賃料の半額を補助する。補助金の交付期間は施設を新築した場合は15年以内、既存の施設を活用したケースは5年以内になる。

 県は2015年度に市町に参加を呼び掛け、佐賀、伊万里、嬉野の3市が手を挙げた。本年度から佐賀市と伊万里市で既存のオフィスビルを使った運用が始まり、佐賀市のアイスクエアビルにゲーム企画開発会社「Cygames(サイゲームス)」が入居したものの、ほかは3フロア分が空室になっている。

 4月からは伊万里市で新設ビルの運用が始まり、市が2、3階部分を15年間、1カ月当たり約155万円で借り上げている。28日にビルの完成式が開かれたが、入居者は見つかっていない。空室の家賃は市と県が半分ずつ負担することになる。市の担当者は「リスクを負っているが、事務系の仕事が少なく若者の流出に悩んでいる伊万里市にとって、ぜひ必要な取り組み」と強調する。

 ただ、仮に来年度も現在と同じ空室状況が続けば、1年間で県は1860万円、伊万里市は1167万円、佐賀市は693万円を負担することになる。県企業立地課の担当者は「受け皿をつくれば企業が来ると安易に考えてはいない。各市と連携し、これまで以上に誘致活動に力を入れたい」としている。

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