菊池寛賞の贈呈式で受賞の喜びを語る作家の北方謙三さん=東京・内幸町の帝国ホテル

 優れた文化活動に贈られる第64回菊池寛賞(日本文学振興会主催)の贈呈式が2日、東京・内幸町の帝国ホテルで開かれ、表彰を受けた唐津市出身の作家北方謙三さんが「書くことが好きで、好きなことを職業にできるのはそれだけで幸せだ。今後も鈍い筋肉で小説を書く作家を続けていこうと思う」と語った。

 北方さんは現代ハードボイルドの旗手とされ、九州さが大衆文学賞の審査員や直木賞選考委員を務める。17年をかけて完結させた全51巻の北方版「大水滸伝」シリーズで、斬新な解釈により新たな読者を開拓したことが評価された。

 北方さんは「これまでいろんな賞をいただく度に、それを必ず契機に生かさなければと思い定め、生かせてきたような気がする。これから52巻くらいの大長編を123歳までかけて書き上げようと思う」とあいさつし、会場を笑わせた。

 主催者を代表し、文芸春秋の松井清人社長が「何年も前から北方先生の大水滸伝を推す声は多数あった。日本一面白い、最高のエンターテインメントだが、完結したところで賞を差し上げたいと、ここまで延びてしまった」とたたえた。

 会場には北方さんの手書きの原稿や緻密に書き込まれた取材ノートが展示され、ファンが見入っていた。

 また、水俣病やハンセン病に関する調査報道に加え、4月の熊本地震で被災しながら地域ジャーナリズムの担い手としての責務を果たしたとして、熊本日日新聞も受賞した。

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