2022年度の開業へ向けて工事が進む九州新幹線長崎ルート。武雄市の将来への岐路になる。右奥は5月から業務を始める武雄市の新市庁舎=武雄市役所屋上から

 任期満了に伴う武雄市議選が4月1日告示、8日投開票される。今回から定数が4減の20になる。2006年の合併前の議員数56のおおよそ3分の1になり、議員の責務は一層重くなる。九州新幹線長崎ルート開業を武雄にどう生かすか、1期目の最終年に入っている小松政市長の市政運営への評価など、市政の課題を探る。

 

 「22年度の新幹線開通によって武雄は車だけでなく鉄道の分岐点にもなる。交通の要衝という地の利を生かし、武雄を『西九州のハブ都市』にしたい」。2月末、18年度当初予算案の記者会見で、小松市長はあらためて「西九州のハブ」という市の将来像を示した。

 市が目指す「ハブ」は、長崎県を含めた周辺観光地に、武雄を宿泊地にして行き来してもらう「観光起点」と、福岡や長崎への通勤通学が可能になることを生かした「居住拠点」の二つ。観光と移住・定住の両面に生かす構想だ。新年度は、西九州の周遊マップ作成や長崎空港からの乗り合いタクシーの試験運行などに取り組む。

 ある観光関係者は「ハブ構想は大賛成。長崎新幹線といえば『博多―武雄―長崎』といわれるように取り組んでほしい」と期待する。ただ「動きが遅い」と不安も口にする。「例えば新幹線から見下ろせる絶好の場所にある現市役所跡地の活用計画がまだ決まらない。湯煙が上がるような温泉地をアピールできる使い方を望むが…。4年しかないのに遅すぎる」と指摘する。

 市議選に出馬準備を進めているのは現職19人と新人5人。市の将来を変える新幹線開通にどんな考えを持っているのか。行政の施策を待つだけでなく提案も大切になる。県とは方針が異なる全線フル規格化への対応も課題になっている。

 新幹線対応と同様に、来年1月に任期満了を迎える小松市長の市政運営をどう評価するかも、市議選の選択基準の一つになる。

 小松市長は樋渡啓祐前市長の後継として、ICT教育や官民一体教育を推進し、子ども図書館を建設して市図書館・歴史資料館の指定管理運営の継続を決めた。17年度は子どもの貧困対策を打ち出し、18年度は高齢者を中心とした福祉対応を掲げる。5月の新市庁舎業務開始に合わせて北方、山内支所は廃止する。老朽化している文化会館や白岩体育館の建て替えへの関心も高まっている。

 前市長時代は、市民病院民営化や図書館の指定管理導入を巡って対立が生まれ、小松市長も激しい選挙の末に当選した。市長が変わって市政も落ち着いているが、3年余りの小松市政の評価や、課題の捉え方も市議選の判断材料となる。

 合併前の1市2町で56人いた議員は合併時の選挙で30人になり、10年に26人、14年に24人に減った。地域代表の色合いは今も残るが、身近な住民の声を市政に反映する大切さと同様に、市全体を俯瞰(ふかん)して臨む見識も問われる。

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