31日に閉店する西友佐賀店=佐賀市駅前中央

 佐賀市駅前中央の西友佐賀店が、31日の営業を最後に閉店する。1979年のオープンから約40年。JR佐賀駅やバスセンターに近接の好立地で、かつては食料品から衣料、家電までそろえ、若者に人気の「無印良品」も展開した。テナントの入れ替えや改修で事業を拡大してきたが、近年は郊外大型店との競合などで売り上げが減少、建物の老朽化も撤退の決め手になった。

 西友佐賀店がオープンしたのは79年11月。敷地面積は360台収容の駐車場を含め約4600平方メートル。県内で初めての東京資本の大型店として消費者の注目を集め、開店初日は約6万人が詰め掛け、女優の吉永小百合さんも「1日店長」として来店した。

 4階のレストラン街には家族連れが行き交い、屋上のビアガーデンは夏の訪れを告げる風物詩となった。96年には全国のグループ店でもいち早く、元日営業に踏み切った。

 福岡市への通勤に便利な駅周辺は、地価下落の影響もあってマンション建設が相次ぎ、他地域からの住み替えも進んだ。「西友の存在も吸引力を高めた要因」と、地元の不動産関係者は振り返る。

 転機となったのが、2000年。中小小売店の保護を目的とした大規模小売店舗法の廃止を受け、同年のジャスコ(イオン)佐賀大和店を皮切りに、モラージュ佐賀(03年)、ゆめタウン佐賀(06年)と郊外大型店の出店攻勢が加速した。西友佐賀店は食品売り場を24時間営業にするなど生き残り策を展開してきたが好転せず、段階的に売り場を縮小、近年は3、4階を閉じて営業していた。

 高額当選を多く出し、話題を集めた宝くじチャンスセンターは、昨年末に閉店。佐賀駅バスセンター内に移転し営業を続けている。

 閉店後の跡地利用を巡り、市は駅前広場を整備する上で重要な土地として取得、活用を検討している。ただ、地権者との協議に時間を要し、整備基本計画の策定は予定していた3月末から2018年度末まで1年先送りになった。

 駅周辺には西友佐賀店のほかにスーパーはなく、秀島敏行市長は「買い物難民の問題は中心部でも起きる」と閉店後の影響に言及。先の不動産関係者は「利便性の良い場所に人は流れる。周辺整備が遅れれば、駅周辺でも空洞化が進む可能性がある」と指摘する。

 

 

思い出多く残念/跡地は商業施設を利用客アンケート

 

 西友佐賀店の利用客10人(いずれも佐賀市)にアンケートをした。閉店を惜しむと同時に、「跡地には同じように買い物できる商業施設を」という切実な声が多く聞かれた。

 開業当初は東京資本の都会型スーパーとして注目を集めた西友佐賀店。食料品や日用品、レストラン街、ゲームセンター、屋上遊園地まで備え、老若男女の人気スポットだった。

 毎週訪れるという峰松正雄さん(72)=佐賀市神園=は、食料品や衣料品を購入するという。「定年後に乗り始めた自転車もここで買った。ビアガーデンやレストラン街に活気があったんですよ」と当時を懐かしむ。

 駅周辺地区では2006年から10年で約500人、288世帯増えている。重宝する住民も多く、近くに住む主婦井手ゆずらさん(59)は、買い物だけでなくクリーニング店も利用する。4階にあったレストラン街も使っていた。「中華店で家族で食事をしたのは楽しい思い出」と語ってくれた。

 オープン当初から通う常連客も少なくない。同市の嘉村早苗さん(82)は「開店当時は百貨店のように明るくきれいだったけれど、だんだんさみしくなった」とこれまでを振り返る。「佐賀の玄関口だから、駅前には華やかな商業施設を建設してほしい」と要望する。

 一方でこんな意見も。タクシーを使って利用していた野副泰弘さん(82)は「乗り場と入り口が近くて便利。愛着はあったけど、これからは家の近くの大型店に切り替える」。

 アンケートでは、半数以上が商業施設やスーパーを要望。住民の声にいかに応えられるか。今後のまちづくりの未来を担っている。

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