「伊万里」と書かれたえんじ色のタオルを手に校歌を歌うアルプス席の伊万里高校応援団=阪神甲子園球場

 3千人を超える大応援団が、選手の背中を押した。阪神甲子園球場で26日に行われた第90回記念選抜高校野球大会。21世紀枠で、春夏通じて初の甲子園に挑んだ伊万里高校は、大会連覇を狙う大阪桐蔭に2-14で敗れたが、三塁側アルプススタンドを埋めた生徒や卒業生らは、最後まで精いっぱいの声援を送った。 

 試合開始の2時間ほど前から、そろいの白いジャンパーとスクールカラーのえんじ色の帽子を身につけた人たちが続々と集まった。生徒約450人は前日の夜9時に学校を出発。保護者らとバス20台に分乗して、甲子園に乗り込んだ。晴れ舞台を応援しようと、全国各地の卒業生も集結した。

 野球部員と生徒会が中心になった即席の応援団が音頭を取った。野球部2年の井手陽大さんは「グラウンドのみんなが力を出せるように思いっきり声を出す」。汗だくになりながらワンプレーごとに声を張り上げ、スタンドを盛り上げた。

 「甲子園で演奏することが夢だった」と話したのは吹奏楽部OGで、助っ人として参加した石部可南子さん(20)。「ここに連れてきてくれた後輩たちに一生懸命の演奏を届けたい」と、劣勢を跳ね返そうと軽快な音色を響かせた。

 八回、えんじ色のタオルを掲げてこの日2度目の校歌を歌うと、願いが届いたのか、念願の初得点。九回にも1点を加え、スタンドは沸いた。チームに初打点を付けた末吉竜也選手の弟、恵大くん(7)は「お兄ちゃんは、かっこよかった」と喜んだ。

 敗れはしたものの、最後まであきらめない粘りを見せた伊万里ナイン。OBで1987年から13年間、監督を務めた岡本和宏さん(72)は「この経験は必ず夏に生きる」とエールを送り、選手たちの成長を期待していた。

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