唐津への密輸事件で押収され、門司税関で報道陣に公開された金塊。刻印が消されたような跡もあった=2017年6月2日、北九州市 

 金塊約206キロを昨年5月に唐津市の名護屋漁港に密輸したとして、関税法違反(無許可輸入)などの罪に問われた中国籍の林〓(並の上2点なし)山被告(43)の判決公判で、佐賀地裁は26日、金塊を没収する判断をした。裁判に参加した中国の法人が所有権を訴えていたが、「金塊は密輸のために中国から運び出された」などとして退けた。法人側は福岡高裁に控訴する方針。

 

 吉井広幸裁判官は、法人の「中国側の首謀者の会社に金塊を貸し出した」という主張に対し「会社の内実が判然とせず、金塊を貸し出した経緯や理由が不明」と指摘、「法人が金塊の所有者であることを認める証拠はない」と結論付けた。

 林被告に関しては「金塊を搬送するなど重要な役割を果たしたが、首謀者に手足として利用された側面がある」と述べ、懲役2年6月、罰金150万円、執行猶予5年(求刑懲役2年6月、罰金150万円)の判決を言い渡した。

 地裁は起訴された9人のうち8人に有罪判決を言い渡し、9人目の林被告の判決で金塊没収の可否を判断する考えを示していた。

 法人側の代理人によると、法人は広東省深〓(しんせん)市にある金の販売などを手がける会社で、前回公判で中国側の密輸首謀者に金塊を貸し出していたと強調していた。

 判決によると、林被告は日本人や中国人の仲間と共謀し、昨年5月30日、東シナ海の公海上で国籍不明の船から小型船「第三十六旭丸」に金塊206キロ(時価約9億3千万円相当)を積み替えた。翌31日、名護屋漁港に接岸し、税関の許可を受けずに陸揚げして消費税など計約7440万円を免れた。金塊は押収量としては過去最大だった。

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