佐賀地裁は26日、唐津に密輸された金塊は共犯者が所有していたと位置づけ、犯行の悪質性も考慮した上で没収の判断を出した。「金塊が還付されれば犯罪グループの手元に戻り、犯行が繰り返される」と、没収の必要性を訴えていた佐賀地検の主張を認めた形で、関係者は「一定の抑止力になる」とみている。

 ただ、所有権を主張した中国法人の代理人は判決を不服として控訴する方針で、没収を巡っては高裁での審理が続く見通しだ。

 財務省関税局によると、2016年7月から17年6月までの1年間で刑事告発された金塊密輸事件は10件で、うち没収が認められたのは今回を含めて6件。没収されるケースは年々、増加傾向にあると説明するが、初犯などは認められない場合も少なくなく、財務省は関税法違反での罰金の引き上げを検討している。

 26日の中国籍の被告への判決の言い渡しで、金塊密輸にかかわった9人の1審は全て終わった。全員に有罪判決が言い渡されたものの、中国側の首謀者とされる人物は犯行直後に帰国、現在も逃亡中といい、「闇の金塊ビジネス」の全容解明には至っていない。

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