「甲子園で会おう」-。それは、ちょっとした軽口だったのかもしれない。まさか本当に実現するとは、当の本人たちも思いもしなかっただろう。きょう、選抜高校野球大会に初出場する伊万里高校が、昨年の覇者大阪桐蔭に挑む◆伊万里の主力古賀昭人選手と、大阪桐蔭のエース柿木蓮選手=多久市出身=は中学時代、唐津市の硬式野球チーム「佐賀東松ボーイズ」でチームメートの間柄だった。今年の正月、2人はチームのOB戦で再会し、甲子園への夢を語り合ったのだという◆昨年の覇者であり、連覇を目指す大阪桐蔭はともかく、伊万里にとっては春夏通じて初めての甲子園である。2人が約束を交わした正月の段階では、出場できるかどうかさえ、分かるはずもない。ましてや、組み合わせ抽選会で、初戦の相手として引き当てるとは◆スポーツ紙が「がばいビックリ」と見出しをつけて面白がったのも、あまりにもドラマチックな成り行きだからだろう。ふたつのチームを比べれば、圧倒的とも言える力の差があるのは否めない。だが、ここは「魔物が棲(す)む」と言われる甲子園である。どんなドラマが待っているだろう◆「臆することなく思い切り自分たちの野球をするだけ」「最後まで決して誰も諦めない」と、伊万里の犬塚晃海主将。全力を尽くす伊万里ナインの姿を見たい。(史)

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