約7年3カ月ぶりに稼働した九州電力玄海原発3号機=23日午後、東松浦郡玄海町(撮影・山田宏一郎)

中央制御室で制御棒の引き抜き操作を行い、原子炉を起動させる運転員=23日午前11時、東松浦郡玄海町の九州電力玄海原発(撮影・山田宏一郎)

 九州電力は23日、玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)を再稼働させた。2011年12月に4号機が定期検査で停止して以来、約6年3カ月ぶりに玄海原発が動き出した。東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準下での再稼働は、九電川内1、2号機(鹿児島県)などに続き5原発7基目になる。玄海4号機は5月に再稼働する予定。

 3号機(加圧水型軽水炉・出力118万キロワット)自体の再稼働は10年の定検停止以来、7年3カ月ぶり。核燃料193体のうちプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料32体を使うプルサーマル発電を行う。23日午後11時10分、核分裂反応が安定的に続く臨界に達した。25日に発電と送電を再開し、4月下旬に営業運転に移る。

 中央制御室では23日午前11時、運転員が手順書を確認しながら3号機の制御棒を引き抜くレバーを操作し、原子炉を起動した。発電所入り口前では、再稼働に反対する住民約150人が抗議の声を上げた。

 九電は当初、今年1月の再稼働を目指していたが昨年10月以降、神戸製鋼所や三菱マテリアルの製品データ改ざん問題が発覚し、部品の安全性確認で2カ月遅れた。

 避難計画が義務付けられる半径30キロ圏には佐賀、福岡、長崎3県の8市町が入り、人口は約26万2千人、うち佐賀県内は約18万7千人に上る。全国の原発周辺で最も多い17の離島があり、避難が海路か空路に限定されるなど、計画の実効性に関する不安は根強い。

 玄海原発を巡っては、二つの原告団が計3件の運転差し止め訴訟を佐賀地裁に起こしている。両団体が地裁に申し立てていた仮処分2件は、昨年6月と今月20日に却下され、福岡高裁で審理される見通し。

 九電は玄海3、4号機の再稼働を目指し13年7月、新規制基準に基づく適合性審査を原子力規制委員会に申請、17年1月に合格した。玄海町の岸本英雄町長は同3月7日、佐賀県の山口祥義知事は同4月24日にそれぞれ同意した。

 九電管内以外の稼働中の原発は、関西電力の高浜3、4号機(福井県)、大飯3号機(同)。四国電力伊方3号機は昨年12月、火山リスクを重視した広島高裁が運転差し止めの仮処分を決定した。

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