開門派の漁業者らと連携し、開門に向けて闘うことを訴えた干拓営農者の松尾公春さん(中央)=東京・永田町の衆院第1議員会館

 国営諫早湾干拓事業を巡り、堤防排水門の開門に反対してきた長崎県の干拓営農者と開門派の漁業者側が23日、初めて一堂に会し、開門を求める集会を国会内で開いた。堤防内側の調整池でカモが増え、農作物に深刻な食害が起きているとし、「農業、漁業共存のために開門に向けて連携して闘おう。今日はその出発点だ」と気勢を上げた。

 干拓地の営農法人「マツオファーム」の松尾公春社長は30ヘクタールの農地で大根やレタスを栽培している。カモの食害のほか、海水に接する沿岸部と違い、夏は調整池が湯のように熱くなり、冬は寒さで作物が育たない窮状を説明し、「国や県が優良農地だと宣伝しているが、誤解だ」と訴えた。

 松尾さんは「国が造った干拓地、県農業振興公社が貸す農地、公共事業をやった役人のメンツを守るために開門するなと言ってきたが、犠牲になるのは1次産業の農業と漁業者だと痛感した」と強調。他にも複数の営農者らが同調する動きがあるという。

 藤津郡太良町のタイラギ漁業平方宣清さんは「被害は漁業だけだと思っていた。ずっと農業漁業の共存を訴えてきたが、開門がその唯一の道だと改めて感じた」と話した。

 松尾さんら営農法人2社は農地貸主の公社などに損害賠償と開門を求める訴訟を長崎地裁に起こしている。

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