イカリソウ

 春から初夏にかけて淡い紫色の花を咲かせるイカリソウ。日本では北海道から近畿、四国にかけて自生し、茶花や鉢花として人々に愛されてきました。今でも観賞用として多くの種類が栽培されています。

 イカリソウの名は、花が4本爪の船のいかりによく似ていることから付いたもの。形が特徴的で4枚の花弁が先にいくにつれて細い筒状になっています。ツノのような筒は距(きょ)といい、この中にある蜜で昆虫を花の奥まで誘います。茎葉に薬効があり、煎じたり、焼酎に漬け込んだものが、滋養強壮や強精に用いられ、滋養強壮効果のあるドリンク剤に配合されることも。こぼす種には遠くまで運んでもらえるようにアリの好む成分が付いています。いかりを揚げて出港していく船さながらに、まだ見ぬ場所へ根付き花開くために運ばれていくのです。(中冨記念くすり博物館)

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