■まずは医者と意思疎通

 10月下旬から、ある医療系のキュレーションサイト(仮にAとします)が問題になっていました。キュレーションとは、インターネットなどに散乱している情報を収集してまとめることをいい、再編したネットページのことをキュレーションサイトと呼びます。単に文章を転記して並べるだけではなく、まとめた人の考察なども入ります。良いまとめサイトはエッセンスがぎゅっと詰まっていて非常に有用です。

 しかしながら、Aサイトはあまり医療に詳しくない人々が専門家の意見を聞くことなくまとめてしまったために、内容に整合性がなかったり、標準的治療を否定したり、逸脱することが記載されていたり、虚偽の記述も含まれていました。また文責が記載されていないという大きな問題がありました。そのようなサイトが、ネットで検索すると上位に表示されるように操作されたため、医療の知識がない人が読んで誤解する、ということが問題になったのです。

 例えば、あるがんの患者さんが、そのがんについての情報を得ようとしてAサイトを読み信じてしまい、実際にかかっている病院でAサイトと違うことをいわれたために病院を信じなくなり、必要な治療を受ける機会を自ら放棄した結果、不幸な転帰をたどる、といったことが起きていくことが懸念されました。Aサイトはかなり爆発的に記事を増やしていましたが、閲覧者数が増えるにつれ問題点も増えてしまったようで、11月末で全面閉鎖になりました。

 インターネット上の情報は玉石混交といわれますが、こと医療の情報については、責任の所在が分からないままに間違った情報が野ざらしになっているのが現状です。主治医とのコミュニケーションをきちんととり、病気の不安を解消するためのネット検索が命取りになることがないようにしたいものです。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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