佐賀東部水道企業団浄水場跡地に2012年に完成した県内初のメガソーラー=佐賀市川副町

 「太陽光は大事なエネルギーだが気まぐれで、安定供給に苦慮している」。19日の県議会特別委員会。太陽光発電の出力抑制について問われた九電の山元春義取締役が、改めてその「不安定さ」を強調した。目前の玄海原発再稼働を見据え、「離島の種子島、壱岐は休日の昼間、太陽光(発電)を一時的に停止していただく状況。九州本土でもいよいよそういう時期がくるのでは」。

大規模集中から地域分散へ

 広範囲の放射性物質の汚染をもたらし、多くの帰還困難者を生み出した福島第1原発事故後、太陽光発電などの再生可能エネルギー(再エネ)は推進の機運が高まった。国も2012年7月に太陽光や風力などによる電力を電力会社が高い価格で長期間買い取る「固定価格買い取り制度」を導入し普及を後押しした。

 しかし、価格の高い太陽光に参入が殺到し、九電は14年に契約受け付けの中断を決定。15年1月に無制限で発電を止められるルールを導入した。

 県内初のメガソーラー(大規模太陽光発電所)を佐賀市川副町に整備した芝浦グループホールディングス(北九州市)は現在、九州・山口で41カ所、計80メガワットを展開している。広報担当者は、発電制限ルールの導入で「融資が受けにくくなるなどの影響が出ている」と話し、原発の再稼働によって「既に稼働中のメガソーラーの出力抑制が懸念される」と気をもむ。

 制度開始当初1キロワット当たり40円の買い取り価格も年々下落し、本年度は21円だった。条件面の悪化から九州で少なくとも1万4千件の業者が参入を断念し、県内も760件に上った。

 大手電力会社が再エネの受け入れを中断する要因の一つ、送電網・配電網の容量の問題は、国も検討を進めている。従来は半分を緊急時用に空け、動いていない原発の分も「先着順」の原則から確保していた。

 現在検討中の「コネクト&マネージ」と呼ばれる制度は、緊急時用に空けている容量や、稼働していない電源が確保している容量などの「すきま」を活用する。ただ、原発が動き出せば、再エネを中心とした新電力の事業者への規制が議論されており、不利な状況は変わらない見通しだ。

 著書「原発のコスト」で知られる龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「原発を基幹電源とする国の延命策が、再エネ普及を妨げている」と根本的なルール改正を訴える。各電力会社の電力供給計画を引き合いに、「原発がほぼゼロでも、この先10年間は消費電力が多い8月も逼迫(ひっぱく)しない」と電力が足りている現状を指摘。「福島の事故で大規模集中型の原発は脆弱(ぜいじゃく)だと分かった。今後は再エネを中心とした地域分散型にすべき」と脱原発後の在り方を説く。=おわり

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