庄金倉崎家で小川鉄道大臣が休憩した際の写真。右から2番目が尾崎天風とされる(倉崎さん提供)

浜町は駅誘致のため鉄道大臣を招き面浮立で歓迎した(倉崎さん提供)

 建設当時の姿にリニューアルし、24日に落成式があるJR肥前浜駅。この日取りが駅開設の陰の功労者と伝えられる鹿島出身の国会議員、尾崎天風(てんぷう)(1886~1960)の命日に偶然重なった。当日はオープニング記念事業として尾崎に関する映画上映を企画し、関係者も顕彰に期待を寄せる。

 

 『鹿島の人物誌』などによると、尾崎は古枝生まれ。少年期に北海道に移り、1932(昭和7)年に北海道選出で衆議院議員に当選した。それまでの間上京し新聞記者として健筆を振るい、北海道の森林を入手し財をなした。駅誘致は記者時代に親交があった小川平吉・鉄道大臣に直談判した、とある。

 現在のJR長崎線開通が持ち上がった1927(昭和2)年、駅の候補は旧鹿島町と浜町の中間点「小舟津」だった。港町として栄えていた浜町は誘致に動いた。小川大臣を招き約3千人で政友会に入党する式典を催した。それで肥前浜駅建設が内定し、後に鹿島町の嘆願で中牟田にも肥前鹿島駅の建設が決まった。

 浜町の倉崎家で大臣らが休憩した際、撮影された写真がある。祖父・喜作さんが尾崎と親しかった倉崎喜雄さん(89)は「地元に代議士がいなかった当時、中央とのパイプを尾崎に頼ったのではないか」と推測する。町民が面浮立で大臣たちを歓迎した写真もあり、「駅は地元が結束してつかんだという歴史も大事にしたい」と話す。

 尾崎は経歴が謎に包まれた部分も多いが、北海道で旭川と現・北見市間の国道開通に尽力し、石北峠に銅像が建つ。今回上映される作品は大正末から昭和にかけての北海道北見を舞台にした「馬喰一代(ばくろういちだい)」(1951年公開)。三船敏郎演じる主人公の商売敵「ゼニコの六」のモデルが尾崎とされ、無学ではあるが度胸と金もうけの才能があり、どこか憎めない人間味のある役どころを志村喬が演じている。

 当日は午前11時半と午後2時半から肥前浜駅近くの「漬蔵たぞう」で上映。入場無料。問い合わせは市都市建設課、電話0954(63)3415。

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