トヨタ自動車が米国での走行試験に使っている自動運転車(同社提供・共同)

 【ニューヨーク共同】トヨタ自動車は20日、米国の公道で実施していた自動運転車の走行試験の一部中断を発表した。米配車大手ウーバー・テクノロジーズの自動運転車が18日夜に死亡事故を起こしたことを受け、トヨタは試験車両に乗る運転手への心理的な影響を考慮した。試験の再開時期は明らかにしていない。

 ウーバーの死亡事故の影響が、自動運転車の開発を目指す他企業にも波及した。

 トヨタの米子会社トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)は高級車ブランド「レクサス」の最上級セダン「LS」をベースにした車両を使い、中西部ミシガン州と西部カリフォルニア州で公道試験を実施していた。

 全ての操作をシステムが担う完全自動運転の実現に向けた試験と、緊急時だけ自動運転システムが運転手を支援する試験の2種類がある。今回中断したのは、完全自動運転の試験という。

 トヨタは日本国内の公道では、緊急時だけ自動運転システムが運転手を支援する試験を続ける。完全自動運転は元々実施していない。

 ウーバーの事故は西部アリゾナ州で発生。横断歩道ではない場所を、自転車を押して歩いていた女性がはねられた。運転席には安全確保の人員が乗車していた。ウーバーは19日、米国とカナダの計4都市で実施していた公道試験の中断を表明した。

 TRIは20日の声明で「事故原因を推測することはできない」としている。一方、米紙サンフランシスコ・クロニクル電子版は19日、車載カメラの映像などから、地元警察は女性が突然飛び出してきたため事故の回避は難しかった可能性があるとみていると伝えた。

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