喉を癒やしてくれるキンカンの実

■乾燥した喉癒やす効果

 風にせきたてられるように木々は葉を落とし、舞い落ちた葉はカサカサと音を立てて地面を転がります。空気が乾燥するこの時季、不調を感じやすい喉を癒やしてくれるのがキンカンの実です。

 庭木としても好まれる果樹で、九州では宮崎県、鹿児島県が産地として知られています。果実はピンポン玉よりもやや小ぶりですが、たくさんの栄養分を含んでいます。生薬名を金橘(きんきつ)と言い、風邪や咳(せき)止めなどに用いられます。果皮が薄いので、そのままでも食べることができ、砂糖漬け、甘露煮、キンカン酒などにして摂(と)ることも。

 佐賀出身の江戸時代の医師、向井元升(げんしょう)が著した食物書『庖厨備用倭名本草(ほうちゅうびようわみょうほんぞう)』。その中でも「糖造蜜煎皆ヨロシ」と紹介されており、キンカンの蜜煮で風邪知らずだったことがうかがえます。熟したキンカンは艶やかな黄金色をしています。(中冨記念くすり博物館)

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