フォームを確認しながら打撃練習に打ち込む伊万里の選手たち=伊万里市の同校

 「やっぱり速いっすね」-。抽選会翌日の17日、打撃マシンに向かった選手たちが口をそろえた。チームは3台あるマシンのうち1台の球速を10キロ上げ、140キロに設定。1球ずつ、タイミングを計りながら鋭くバットを振った。

 イメージするのは、多久中央中出身で大阪桐蔭のエースに成長した柿木蓮ら相手の3投手だ。いずれも直球は最速140キロ以上。昨秋の近畿大会は3人で担い、4試合でわずか1失点だった。伊万里はその速球に食らいつく必要がある。

 突出した選手はおらず、2割6分7厘とチーム打率もそれほど高くない中、伊万里が昨秋の佐賀大会で躍進できたのは、好守の歯車がピタリとかみ合ったからだ。主戦山口修司が最少失点で踏ん張り、攻撃陣が奮闘して逆転勝ちを重ねた。

 象徴的だったのは佐賀大会準決勝・多久戦。1点を追う八回、2死走者なしとなったが、3番古賀昭人が粘り、右前打でしぶとく出塁。続く梶山勇人が四球を選ぶと、末吉竜也の適時打などで逆転勝ちにつなげた。

 「ベンチの雰囲気の良さが自慢。最後まで決して誰も諦めない」。主将で切り込み役を担う犬塚晃海はナインの思いを代弁し、胸を張る。

 一つ上のレベルを目指そうと、冬場は体幹強化を意識した約3メートルの竹ざお振りや、丸太を抱える腹筋など体づくりに熱心に取り組んだ。2ストライクから始める紅白戦も取り入れ、「1球」への意識を高めてきた。

 チームは19日に伊万里を出発。本番までの1週間は大阪市内などの練習場を借りながら調整することになるが、その間も速球対策を重ねる。佐賀大会で下位から好機を何度もつくった山口瑞希は「近い位置から投げてもらい、タイミングを合わせていきたい」と闘志をみなぎらせる。

 北波多中時代、大阪桐蔭の柿木と「佐賀東松ボーイズ」でともに汗を流した古賀は「チャンスは少ないと思うが、点につながる打撃をしたい」。優勝候補にしぶとく食らいつく。

(22日からは伊万里の全選手を紹介する「選手編」を始めます)

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