鍋島窯跡から出土した初期鍋島の陶片(右側)と輸出用磁器の陶片(左側)

「初期鍋島」を焼いた登り窯のそばで確認された作業スペースの石垣=伊万里市大川内山

 伊万里市教育委員会は、大川内山の国史跡「大川内鍋島窯跡」にある日峯社下(にっぽうしゃした)窯跡の本年度発掘調査で、登り窯に付帯する作業スペースの石垣と、「初期鍋島」の陶片十数点を新たに確認した。東南アジア向け輸出用磁器の陶片も初めて出土した。25日に現地説明会を開く。

 日峯社下窯は1650~60年代に築かれた階段式登り窯で、全長52メートルの傾斜地に15の焼成室が並ぶ。火のめぐりが安定している中間部で将軍家などに贈る鍋島を焼いたとみられ、本年度は第8室そばの作業段(製品の出し入れをしたり薪(まき)を置いたりするスペース)と物原(ものはら)(失敗品の廃棄場所)を調べた。

 作業段では、築かれた時期が異なる2層の石垣を確認。物原からは初期鍋島の陶片十数点が見つかった。物原の堆積層も二つの時期に分かれており、石垣が二度築かれたことと関連があるとみている。

 また物原からは、東南アジア輸出用の陶片約10点が初めて出土した。市教委生涯学習課の船井向洋(こうよう)副課長(56)は「大川内山で輸出用磁器が発見されたことは、有田から来た陶工集団の系譜を探る手掛かりとなる」と話す。

 現地説明会は25日午前10時半から1時間程度。集合場所は長春青磁陶窯工房前の空き地で、駐車場は大川内山入り口を利用する。申し込みは不要。問い合わせは市教委生涯学習課、電話0955(23)3186。

このエントリーをはてなブックマークに追加