ことし初の練習試合で力投する伊万里の山口修司=10日、伊万里市の同校

 「上の存在と試合ができるとは思わなかった。またとない機会で、うれしいと思えるようになった」-。組み合わせ抽選会で初戦の相手が大阪桐蔭に決まった16日、伊万里の右上手のエース山口修司は、野球部の仲間と話しているうちに、不安な気持ちより期待感のほうが強くなった。

 山口修は昨秋の佐賀大会で全5試合に登板。ピンチに動じない粘り強い投球で準優勝の立役者となった。学校として67年ぶりに進んだ九州大会の初戦は、センバツで2度の優勝経験がある沖縄尚学と対戦。八回まで3失点と踏ん張ったが、最終回に5点を失った。

 「もっと体力と球威を上げなければ」と冬場は走り込みやスクワットなどで下半身強化に励み、体は一回り大きくなった。体重は昨秋から7キロ増えた。ボールにより力が伝わるように「球をたたくイメージ」でフォームの改善にも取り組んできた。

 練習試合が解禁となり、ことし初登板となった10日の練習試合。福岡農を相手に四回まで無失点でしのいだが、「まだ50%ぐらい」と振り返った。翌日の西陵(長崎)との対戦は六回まで担い、被安打3、自責点1。

 直球が浮くこともあったが、バッテリーを組む梶山勇人は「変化球のコントロールがよく、切れもあった」と手応えを話し、「あとは配球。打者のタイミングをずらすようにリードしたい」と気を引き締める。

 大阪桐蔭は史上3校目の春連覇を狙う優勝候補。秋の公式戦のチーム打率は3割5分2厘で、上位から下位まで好打者が並ぶ。

 遊撃手で主将の犬塚晃海は「相手が強いことは分かっている。ピンチになってもいいから(山口)修司にはテンポ良く投げてほしい」。吉原彰宏監督も「取れるアウトをしっかり取らなければ試合にならない」と選手たちに堅実に一つずつアウトを重ね、失点を最少に抑えることを求める。

 甲子園のマウンドにあこがれてきた山口修は「失うものは何もない。挑戦者として全力で行く」とエースとしての決意を示す。

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 21世紀枠で選抜高校野球大会に挑む伊万里の初戦の相手が大阪桐蔭に決まった。初の甲子園で躍進を期す選手たちの今を追った。

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