市長の要求監査を受けて「清水竹灯り」の補助金分を調べた結果、「監査不可能」と結論付けた報告書

 小城市の前商工観光課長(55)=退職=の文書偽造などの不祥事に絡み、市が助成していた「清水の滝ライトアップ事業(清水竹灯り)」の不適切な会計処理について市長の要求監査を受けた市監査委員(2人)が「収支を証明できる証拠書類がずさんで、監査できない」と異例の見解をまとめたことが19日、分かった。監査委員や関係者への取材で、出納台帳や仕入れ帳簿など経費の流れが分かる資料が全く存在せず、領収書の詳細購入品名の切り取りや、明細がない振込伝票が多数見つかるなど、隠蔽(いんぺい)の疑いがある実態も浮き彫りになった。

 監査不可能の報告を受けた市は、支給要件を欠くことになる主催者「清水の滝ライトアップ実行委員会」(会長・江里口秀次市長)に対し、補助金返還の要求が生じる。

 江里口市長は2月13日、監査委員に「清水の滝ライトアップ事業」の2011年度から5年間の補助金(年250万円)が適正に会計処理されているかの監査を要求した。監査委員は翌14日から26日まで、商工観光課が保管していた補助対象の伝票や領収書類を精査し、併せて事業全体の経費も調べた。

 報告は、各年度の補助金申請文書は確認できたものの、収支を証明できる書類がずさんで監査できなかったとしている。

 佐賀新聞の取材に応じた監査委員(当時)の一人は「金銭の出し入れや収支の流れが分かる帳簿、台帳が全く存在せず、明らかに手が加えられた領収証などの資料しか残っていなかった。前代未聞の報告を書かざるを得なかった」と説明した。

 領収証類の精査では、量販店やスーパーなどの発行分で、購入の詳細品目の部分を切り取られ、金額だけ記載された証書に「品代」と書かれていたという。明細表が添付されず会社名だけの振込伝票が多数存在した。残された領収書類を計算しても「市の実績報告で記された金額とは全く合わなかった」という。

 昨年10月、市懲戒審査委員会で領収書の詳細購入品名を切り取った件を尋ねられた前課長は「(切り取ってはいけないことを)知らなかった」と答えたという。

 先の監査委員は「事業の会計処理を1人で務めた前課長は(横領などの犯罪性について)黒に限りなく近いグレー」と断じた。

 行政法に詳しい佐賀大学経済学部の児玉弘准教授は「『監査不可能』という結果は、市長要求を含む監査一般においても聞いたことがない。補助金支給にあたっては原資が公金のため、適切な会計帳簿による処理が要求されるはずだ」と指摘する。その上で「今回の監査委員の報告が不十分であれば、市民が住民監査請求で明らかにすべきだ」と強調した。

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