国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門を求める漁業者が、長崎地裁で開門差し止めが命じられた訴訟への「独立当事者参加」を求めた申し立てに対し、福岡高裁は19日、却下した。訴訟で国は控訴していないが、漁業者側が最高裁へ上告する方針で、一審長崎地裁判決は確定しない。

 漁業者側は、訴訟で国が堤防の閉め切りによる漁業被害や開門を通じた漁場改善効果を主張しなかったことなどを示して参加を訴えていた。西井和徒裁判長は「開門可否の司法判断は既に複数存在し、判決が確定したとしても(開門を求める権利に)事実上影響を及ぼす可能性は低い」と判断。申し立てについて「不適法」と結論付けた。

 長崎地裁は昨年4月、干拓地の営農者らの主張を認めて開門を認めない判決を言い渡した。福岡高裁の漁業者側と国による関連訴訟の和解協議は今回と同じ西井裁判長が務めていて、開門しないことを前提に国の基金案による解決を図る和解勧告を3月5日に示している。

 漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は「国と一体になって裁判所が開門しない方針に急旋回したが、開門しなければ問題は解決しないことを裁判所が分かるまで戦い続ける」と述べた。

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