スーパーやボウリング場などが併設していた商業施設「サンプラザ」の跡地。今後の再開発に期待がかかる=神埼郡吉野ヶ里町吉田

 任期満了に伴う神埼郡吉野ヶ里町長選・町議選は20日告示、25日に投開票される。町は町村合併から12年を経て人口は微増の1万6千人余り。地域の活性化や安心して子育てできる環境づくりの現状と課題を追った。

 三田川の町役場と陸上自衛隊目達原駐屯地の中間に位置し、国道34号沿いにショッピングセンター「サンプラザ」跡地が広がる。昨年10月、主要な食料品店が閉店した。12月定例町議会で議員の一人は切実に訴えた。「長年にわたり町民の『食』を預かってきた施設。同じような大型店は無理でも、何とか活用をお願いしてほしい」

 サンプラザは町内の商工会青年部メンバーが中心に会社をつくり、1979年3月にボウリング場横に開業した。生鮮品の販売や飲食店が入り、家族連れや高齢者などでにぎわいを見せていた。その後、食品を扱うスーパーが町内に複数進出、徐々に客足を奪われて閉店に追い込まれた。

 サンプラザを長年愛用してきた近隣の高齢世帯にとっては、他のスーパー利用もままならず、「買い物難民」の懸念も広がっている。60代男性は「あそこがどうなるかで、この先の町の活性化に大きく影響してくる」と強調する。立地上、今後のまちづくりの中核に変わりはない。町によると、具体的な跡地活用策は見えていないが、民間による商業施設開発の動きも出ているという。

 学校の給食センター建設も町民の関心は高い。2015年、佐賀市の業者に委託していた学校給食で異物混入問題が相次いだ。町は保護者らをメンバーに入れた建設検討委員会を設けて議論し、今年1月、早期整備を求める提案書を町に提出した。給食センター方式か、学校に併設する自校式にするかは検討中だ。

 地元で給食を作ることで地場産品の活用も考えられる。町民からは「若い人が農業に携われるようなまちづくりにも、つながるのでは」と期待の声が聞こえる。“目に見える”給食が子どもだけでなく親の安心感も生み出すとしている。

 目達原駐屯地と共存してきた町。2月に目達原所属の戦闘ヘリが隣の神埼市で墜落する事故が発生し、町民は改めて「基地のまち」を意識することになった。

 プロペラが大きな音を立てて上空を飛ぶ見慣れた光景。町民の中には隊員もいる。駐屯地では夏祭りや花見などで地域住民との交流も深めてきた。30代の女性は「ちょっとは心配するけど、自衛隊で成り立ってきた町でもある。上手に付き合っていかなければ」。

 地域の安全安心を各分野でどう実現していくか。町のリーダー選びの視点となる。

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