甲子園のアルプススタンドでの演奏を楽しみにしている伊万里高吹奏楽部=伊万里市の同校

定期演奏会と甲子園での演奏が間近に迫り練習に熱が入る伊万里高吹奏楽部=伊万里市の同校

21日の定期演奏会への来場を呼び掛ける部長の野口龍誠さん(左)と副部長の水野帆乃香さん=伊万里高校

 さあ、憧れの舞台へ-。選抜高校野球大会は23日開幕し、初出場の伊万里高は26日に初戦を迎える。本番に向け、気持ちを高ぶらせているのは選手ばかりではない。吹奏楽部の部員34人も、アルプススタンドからナインを後押ししようと張り切っている。

 「集中力が足りない。今のままでは定演でも甲子園でも、いい演奏なんてできないよ」。顧問の厳しい声が飛んだ。伊万里高吹奏楽部は二つのビッグイベントを目前に控え、張り詰めた雰囲気で練習していた。

 吹奏楽部は甲子園で応援演奏をする5日前の21日、定期演奏会を開く。1年の集大成となる定演は当初25日の予定だったが、甲子園出場が決まって急きょ前倒しした。

 「甲子園常連校の演奏をテレビでうまいなあと思いながら聞いていたけど、まさか自分たちがやるとは」と部長の野口龍誠さん(17)。突然舞い込んだ大役だったが、定演以外に2月末には県代表として出場する九州高校総合文化祭も控えていて、重圧を感じている暇はなかった。

 甲子園で演奏する楽曲は十数曲。高校野球ファンにもおなじみの「アフリカン・シンフォニー」「エル・クンバンチェロ」など野球部の希望に沿った選曲で、コンクールや演奏会のために練習している曲とは異なる。このため応援曲は部員各自で練習。試合当日は卒業生20~30人が助っ人に入る予定で、ほぼぶっつけ本番で臨むことになる。

 また、同校には屋外演奏用の楽器がほとんどなく、他の高校や中学から借りて間に合わせた。応援曲の楽譜も全てはそろわず、いくつかは耳コピ(聴音)したものを使っている。慌ただしい日々を送る部員に、顧問の中尾公美教諭は「演奏に集中しながらも、楽しむことを忘れないで」とアドバイス。佐賀北高卒の中尾教諭は高2の夏、全国制覇した野球部をアルプス席から応援した“実績”を持つ。

 初戦の相手は優勝候補筆頭の大阪桐蔭。全校生徒で応援に行き、強敵に挑むナインに熱いエールを送る。野口部長は「野球部のみんなの力になれるような演奏をグラウンドに届けたい」と笑顔で語った。

21日、定期演奏会ポップスなど披露 伊万里市民センター

 伊万里高吹奏楽部の定期演奏会は21日午後4時から、伊万里市民センターで開かれる。クラシック、音楽劇、ポップスの3部構成で、「レ・ミゼラブル」「美女と野獣」「ディープ・パープルメドレー」などの曲目を披露。2時間半のステージになる。定演20周年の節目に花を添えようと、部員たちの気合も十分だ。入場無料。問い合わせは同校、電話0955(23)3101。

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