幕末維新期の佐賀の偉業や偉人の活躍を紹介する映像に見入る来場者=佐賀市城内の幕末維新記念館

 先人たちの志や偉業を、多くの県民が追体験した。17日に開幕した「肥前さが幕末維新博覧会」。会場では、映像などで学び直した藩の歩みに感心し、維新博をきっかけに郷土の発展を期待する声も聞かれた。近代化にまい進した佐賀をたずね、次代を考える“温故維新”の10カ月が始まった。

 

 初日に約1700人が足を運んだメイン会場の「幕末維新記念館」。佐賀県出身者の業績を迫力ある映像で紹介する演出に、会場をはしごしてきた佐賀大生の岩田圭史さん(21)は「面白いイベント。映像がすごい」と感嘆した。

 県外からの来場者も多い。札幌市の岡田徳一さん(77)は「北海道を開拓した島義勇は地元では有名な人。遠く離れた佐賀との歴史的なつながりが詳しく分かった」。北九州市の吉留聡子さん(40)は「人づくりを大事にした直正公ら佐賀の偉人は、今の政治にこそ必要な人たちだと思った」と感想を語った。

 幕末維新期に佐賀藩とは異なる立場だった唐津藩や対馬藩田代領について学ぶ施設も各地に登場。唐津市の中島千和子さん(64)は、英学校「耐恒寮」をメインテーマとした唐津サテライト館(旧唐津銀行)を熱心に見て回った。「若い人が唐津の歴史を知るように、こうした取り組みは50年後と言わず、10年ごとに開いてもいい」と評価、「文化を育てると町が栄えると聞いたことがある。唐津がそんな町になってほしい」と求めた。

 「未来志向」をうたう佐賀の維新博。佐賀市の糸山勝久さん(69)は半世紀前の東京五輪を振り返りながら「催しに何らかの形で関われば、子どもたちが大きくなっても心に残る。この博覧会の記憶が長く続くように、県民が意見を出し合う機会があってもいい」と提案した。

 中学を卒業したばかりの小城市の松浦由妃乃さん(15)は佐賀が大好きで、鍋島直正の業績などを本で勉強しているという。「面積が狭い割に土地ごとに歴史や文化が違い、個性がある」とし、魅力を十分にアピールしきれていない点を残念がる。「博覧会をきっかけに、佐賀に興味と誇りを持つ人が増えれば」と願った。

このエントリーをはてなブックマークに追加