九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働を巡り、佐賀など九州・山口の住民ら約70人が差し止めを求めた仮処分申し立てで、佐賀地裁(立川毅裁判長)は20日、認めるかどうかの決定を出す。2017年12月の広島高裁決定で指摘された阿蘇カルデラの危険性や、避難計画の実効性などが焦点になっている。23日にも3号機が再稼働する見通しの中、仮処分決定は直ちに効力を持つため、判断が注目される。

 審理では、原子力規制委員会が策定した新規制基準の合理性や、耐震設計の目安になる地震の揺れ「基準地震動」の策定方法、過酷事故対策の実効性も争点になった。

 規制委がまとめた新規制基準の内規「火山影響評価ガイド」を踏まえ、玄海原発から約130キロ離れた阿蘇カルデラの危険性も争われた。住民側は「火砕流が原発に到達する恐れがある破局的噴火の予知は、最新の知見でも著しく困難」と主張し、九電側は「マグマだまりの状況などから、原発の運用期間中に破局的噴火を起こす可能性は極めて低い」と反論した。火山灰など降下火砕物の対策についても争っている。

 仮処分は、玄海原発の操業停止を求める訴訟を起こしている「原発なくそう!九州玄海訴訟」(長谷川照原告団長)に加わる住民らが17年1月に申し立て、9月に審尋を終えた。広島高裁が12月、阿蘇カルデラの危険性を理由に、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転差し止めを認める仮処分を決定したため、住民側が審理再開を要求。火山対策を巡り、住民側と九電側の双方が追加主張や反論の書面を提出した。

 玄海3、4号機は17年1月、規制委による新規制基準の適合性審査に合格し、山口祥義佐賀県知事と岸本英雄玄海町長が再稼働に同意した。4号機は5月中の再稼働を目指している。

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