オープニングセレモニーでポーズを決める(左から)鹿児島県の三反園訓、山口県の村岡嗣政、高知県の尾﨑正直、佐賀県の山口祥義各知事ら=佐賀市の県立図書館南広場特設ステージ

 明治維新150年を記念して幕末維新期の佐賀の業績を顕彰する「肥前さが幕末維新博覧会」が17日、開幕した。佐賀市城内に開設されたメインパビリオン「幕末維新記念館」や各会場を通じて、「薩長土肥」の一角として明治維新を主導した佐賀の歴史を県内外の来場者に発信した。文化や食を楽しむイベントも繰り広げられ、大勢の人たちが佐賀の魅力を満喫した。

 記念館に隣接する特設ステージでオープニングイベントが開かれ、大隈重信や江藤新平らに扮(ふん)した「佐賀の八賢人おもてなし隊」の寸劇や、シンガー・ソングライターのカノエラナさん(唐津市出身)の歌唱などで開幕を飾った。佐賀藩が国内で初めて鉄製大砲を鋳造したのにちなんだ復元カノン砲の祝砲も上がった。

 主催する肥前さが幕末維新博推進協議会会長の山口祥義知事は、博覧会期間が10カ月になることを示し、「徹底的に未来志向。将来に向けて一人一人が志を持てる温かい博覧会にしたい。皆さんと船で旅立ち、(閉幕の)304日後は多くの出会いなどいっぱいの宝物を積んで帰ってこよう」と呼び掛けた。

 招待されたオランダのアルト・ヤコビ駐日大使が「幕末にオランダの船が運んだ西洋技術は佐賀から日本へ普及した。今も有田焼をきっかけに佐賀とオランダの交流が成長している」とあいさつ。長崎県の中村法道知事は「薩長土肥で活躍した人たちは長崎で西洋の知識や技術を学び、維新への志を育んだ。各県へも足を運んで魅力を堪能してほしい」と周遊を促した。

 イベント会場はコンサートなども行われて約4千人が来場し、記念館の初日の来館者は約1700人だった。佐賀市中心部に博覧会の各会場が設けられ、唐津、鳥栖の2市にもサテライト館がオープンした。博覧会は来年1月14日まで。

■「切磋琢磨し新時代を」 「薩長土肥」4県知事誓う

 「薩長土肥」として日本の近代化をけん引した佐賀、鹿児島、山口、高知の4県知事が17日、佐賀市の佐賀城本丸歴史館に集い、明治維新150年に抱く思いを語った。各藩の功績や歩みも紹介し、新たな時代へ向け「4県で切磋琢磨(せっさたくま)していく」と誓い合った。

 知事たちは郷土の偉人に扮(ふん)し、「肥前さが幕末維新博覧会」開幕記念のトークショーに登場した。高知県(土佐)の尾崎正直知事は坂本龍馬らの脱藩を援助した「無名の志士」たちを取り上げ、「新しい時代を切り拓(ひら)くために命を懸けて助けた」と解説。現代でも「世の中や困っている人のために頑張りたいという志を持つことが大事」と訴えた。

 鹿児島県(薩摩)の三反園訓(みたぞのさとし)知事は、農業が環太平洋連携協定(TPP)に直面している現状をペリー来航に例え、「明治維新と同じように変革期を迎えている。世界を見据えて生き残り策を考えていく」と意気込んだ。

 4県は博覧会をはじめ明治維新150年関連事業に取り組んでいる。佐賀県(肥前)の山口祥義知事は蒸気機関など佐賀藩の高い技術力に触れ、「ものづくりの気風や人づくりについてもっと知ってもらいたい」と呼び掛け。維新博を「未来志向」と強調、「改革なくして伝統なし」と力を込めた。山口県(長州)の村岡嗣政知事は「先人が高い志を持ってチャレンジしてきた歴史、資産を生かし、人材を育てていきたい」と述べた。

 佐賀新聞社の中尾清一郎社長がコーディネーターを務め、約200人が耳を傾けた。

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