開放が続いたことで塩を含んだ水が逆流した水樋管=佐賀市川副町

 佐賀市が、2015年5月に川副町の水門操作を誤り、塩害が発生してた農家8戸への損害補償費など総額約1億円を支出していたことが16日、分かった。閉めるべき水門の開放を続けていたため、塩分を含んだ水が早津江川から逆流、農作物に被害が出た。15年度から補償費を支出していたものの公表せず、市議会にも報告していなかった。

 市南部建設事務所によると、水門は国交省の委託で市が維持管理している。15年5月8日に堆積(たいせき)土砂を除去するため、早津江川と水路を仕切る水門を開いた。本来は開放して一定時間後に閉めるが、市側の認識不足で開放状態を続けた。

 水門近くに逆流を防ぐ弁となる扉があるが、流木が挟まり機能していなかった。同月21日に逆流を確認、近くの農家に塩害が出たことが分かった。内訳はハウス栽培のアスパラ5戸、トマト1戸と、水稲2戸。

 被害農家と交渉し、16年2月から除塩作業や減収補償費の支出を始めた。15年度に376万円、16年度に1287万円、17年度は10月末に8284万円を支出した。17年度分にはアスパラ農家4戸の移転経費を含んでいる。3年間の総額は9948万円。

 市は被害農家と交渉中で補償額が確定できず、当初予算に計上しなかったと弁明、交渉が進んだ時点で予備費を充てて対応した。決算でも市議会には報告しておらず、今月15日に初めて説明した。

 市南部建設事務所は議会報告が遅れたことについて「交渉相手がおり、解決して報告した」と釈明した。操作ミスで約1億円の支出が発生したことには「今後、このような事案が起きないよう、複数の職員で確認するなどして再発防止に努めたい」としている。

 ある市議は「支出した年度になぜ決算委員会で市議会に説明しなかったのか。公費を使うことに対し、市側は緊張感が欠けているのではないか」と対応を批判している。

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