県内の肉用牛生産者で初めて、HACCP推進農場に指定された松高牧場の松高良太郎さん=伊万里市南波多町

 食の安全・安心への関心が高まる中、伊万里市の松高牧場(松高良太郎代表)が、飼養の衛生管理や畜産物の安全性を継続的に向上させる「農場HACCP」の認証取得に取り組んでいる。審査や認証を行う中央畜産会から、肉用牛では県内で初めて推進農場の指定を受けており、今秋にも取得を目指す。輸出が年々増加している佐賀牛のブランドイメージ向上にもつなげたい考えだ。

 HACCPは食品の安全性を向上させる取り組み。消毒や給餌など全ての工程で基本的な衛生管理の手順を定め、監視、検証する。適切で効率的な飼養衛生管理で経営体質の改善を図るほか、衛生水準の高い農場として取引先などにアピールする狙いがある。農林水産省によると、2月16日時点で認証農場は全国で155カ所あり、うち肉用牛は23カ所。

 松高牧場は、佐賀牛を肥育する父親の元で約10年間働いた松高さん(33)が独立し、2016年に設立した。肥育農家として後を継ぐことも考えたが、「子どもの世代につなげるには新設した方がいいと思った」と振り返る。

 事業性評価に基づく日本政策金融公庫の融資を九州で初めて受け、約500頭が収容できる牛舎を昨年1月に建設した。毎月約20頭ずつ肥育頭数を増やしており、9月末ごろの初出荷を目指す。

 西松浦農業改良普及センターの勧めもあり、牛舎新設のタイミングに合わせてHACCP認証の取り組みを始めた。昨年2月から畜産協会、家畜保健所、管理獣医師などの担当者を交えた月1回の勉強会で問題点を洗い出し、飼養衛生管理のマニュアルを作成。初出荷までの取得を目指し、年度内にも申請書類の準備を済ませる計画という。

 海外では、安全・安心を担保するために、農場HACCPの認証を取引の条件にする企業も増えている。松高さんは「すぐに直接的な効果が出るわけではないが、仲卸業者には管理の徹底ぶりを分かってもらえるはず。認証に向けた取り組みを続け、従業員のレベルを上げていきたい」と意気込む。

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