インフルエンザのピークが過ぎ、「風邪の患者さんが少し減ったかな」と思うころ、スギ花粉症(スギ花粉によるアレルギー性鼻炎・結膜炎)の患者さんが増えてきます。毎年悩まされている人は自分でよく分かっておられ、「先生、今年もいつもの薬を処方してください」と診察室に来られます。

 ところが、今まで花粉症もしくはアレルギー性鼻炎にかかったことがない人は、「風邪が治らない」と心配して受診されます。

 風邪のときの鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)は一時的な「急性の鼻炎」で、それに喉の痛みや熱を伴ったりします。一方、花粉症やアレルギー性鼻炎のときは2週間以上続く「慢性の鼻炎」で、痛みより目や喉のかゆみがあり、通常は熱が出ることはありません。そのような違いに注意しながら診察をしています。

 初めて「アレルギー性鼻炎」と診断された人には、アレルギーの原因物質(アレルゲン)の検査を行います。患者さんの中には、初めて「アレルギー」と言われたことを、いぶかしがる方もおられます。アレルギーは、スギ花粉の増加、PM2.5など大気汚染物質の増加、加齢に伴う免疫力の変化などが関係していると推測します。

 治療は通常、アレルギー反応を抑える飲み薬を使いますが、症状に応じて、点眼薬や点鼻薬も加えます。レーザーなどで鼻粘膜を焼いてアレルギー反応が起こりにくい粘膜に変える治療もあります。

 このほか、わざとアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量から投与して慣らしていくという「免疫療法」があります。専門家によって行われる、年単位の時間がかかる治療ですが、根治が目指せる治療です。舌下投与(舌の下に薬を入れる)の錠剤が近々発売される予定で、今後が期待されます。(佐賀大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター専任副センター長 江村正)

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