御粥試の結果を発表する東正弘宮司(中央)=みやき町の千栗八幡宮

カビの付き具合を確認する地域の人たち=佐賀市の海童神社

千栗八幡宮「御粥試」 実り豊か、猛暑に注意 

 おかゆに生えたカビの色や乾湿などで1年の吉凶を占う「御(お)粥(かゆ)試(だめし)」が15日、みやき町の千栗(ちりく)八幡宮であった。東正弘宮司(78)が「秋の実りが豊かで年間を通して良い年である」という結果を発表すると、集まった地区住民らがほっとした表情を見せた。

 日本三大粥祭りの一つに数えられ、724年の創建当時から続くとされる伝統行事。1粒ずつ厳選した1升7合の米を1斗(18リットル)の水で2月26日に炊き、銅製の神器に入れて神殿に奉納。15日に境内のお粥堂に移し、占いの結果を発表している。

 今年のおかゆは赤、青、黒、白、黄の5色のカビがバランス良く生え、1年全般の運勢は10段階中の「八分」と良い年に。米や麦、大豆などの作物もおおむね「上」で豊作となった。大風と地震は中間の「見ゆ」、大水は「少し見ゆ」と自然災害の心配は少ない結果だったが、東宮司は「災害はいつ起こってもおかしくない。心構えだけは必要。夏は猛暑になりそうなので注意を」と呼び掛けた。

 毎年結果を聞きに来るという西田政昭さん(81)富貴子さん(75)夫妻=みやき町=は「災害が少なく平穏との結果で安心した。健康が一番なので暑さには気をつけたい」と話した。

海童神社「お粥開き神事」 火災、はやり病用心

 おかゆに付いたカビの色で一年の吉凶を占う「お粥(かゆ)開き神事」が15日、佐賀市川副町の海童神社であった。神社を訪れた地域の人たちは「うちの地区はどがんね」と、1カ月間神殿で保管したおかゆをのぞき込みカビの付き具合を確認した。

 約450年以上受け継がれてきた神事で、直径約30センチの鉢に入ったおかゆを川副町に見立てて占う。農家の中には、占いを参考にして米や麦の栽培方法を変える人もいるという。

 今年は五穀豊穣(ほうじょう)や産業繁栄を示すねずみ色のカビも一部あったが、火災やはやり病など「大凶」の予兆となる赤カビも出ていた。海童神社氏子総代会の久保秀幸会長(73)は「赤カビが出ているので一年を無事に過ごせるように用心せんば」と気を引き締め、「小さな神社は人手や資金不足が悩みだが、これからも伝統を引き継ぎたい」と話した。

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