進学や転勤に伴う引っ越しが今月下旬からピークを迎える中、佐賀県内で希望日に転居できない人が増えている。荷物を運ぶトラック運転手や作業員の確保が難しくなっているからだ。採用コストの増加を受けて繁忙期の割増料金を引き上げた業者もあり、人手不足による暮らしへの影響が広がっている。

 4月に佐賀市から福岡県の支店に転勤するサービス業の40代男性は今月上旬、引っ越し業者から予約を断られた。申し込みが集中して人手が追いつかないのが理由という。別の業者からも平日しか対応できないと言われ、「休みを取って立ち会うしかない」と男性は困惑する。

 神埼市に営業所を置く大手引っ越し業者は「とにかく人が集まらない」と窮状を訴える。慢性的な運転手不足に加え、ここ数年はパートやアルバイトの採用も難しくなっているという。

 引っ越し業界は春や秋など一時期に仕事が集中するため、短期間のアルバイトやパートを繁忙期に雇って対応している企業が多い。この業者も同じで、今年はアルバイトの日当を千円上げて8千円にしたが、確保できたのは例年の4分の1の20人程度。担当者は「仕事がきつく、割に合わないと思われている」とし、「転居日をずらしてもらったり、断ったりした客もいる」と話す。

 佐賀労働局によると、引っ越し業者を含む運輸・郵便業の1月の新規求人数は前年同月比20・5%増の552人。このうち採用につながったのは70人と約1割にとどまる。

 深刻な人手不足を受け、引っ越し大手のヤマトホームコンビニエンス(東京)は予約が集中する20日~4月10日にかけて、単身向けの割増料金を昨年より3千円加算する。単身向けは価格が安い割に手間がかかるためで、「人材確保のためにはやむを得ない。従業員の待遇改善につなげたい」と理解を求める。

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