改良車両による検証走行試験が始まり、新幹線ホームに入ったフリーゲージトレイン=3日午後11時20分ごろ、熊本県八代市の新八代駅

 2022年度に暫定開業する新幹線長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の検証走行試験が3日深夜、九州新幹線の熊本-新八代間で始まった。来年3月初めまで約3カ月かけて、部品の不具合を改善した改良台車の安全性や耐久性を営業運転と同様の環境で走行させて検証する。

 営業路線での走行試験は車軸の摩耗などの不具合が見つかって試験を中断した14年11月以来、約2年ぶり。3日は新幹線区間を熊本駅から走行し、午後11時20分に新八代駅へ到着した。乗車した国土交通省の潮崎俊也大臣官房技術審議官は「時速260キロぐらいまで出したが、乗ってきた感じでは問題はなかった。今回の対策の効果が営業線での走行でどのように確認できるか見極めたい」と話した。

 試験は、九州新幹線の熊本-鹿児島中央間と在来線の鹿児島線の熊本-八代間を直通運行させて実施する。新八代駅付近に全長70メートルの接続線があり、新幹線から在来線に変化する特殊なレール「軌間変換装置」を通過することで、新幹線と在来線の区間を往来する。

 新幹線区間は時速260キロ、在来線は130キロ、接続線は50キロで走行する。12月中旬ごろまでは夜間から早朝の時間帯に1日1、2往復する。来年1月中旬から3月初めまでは早朝から深夜に新幹線区間を1日3往復程度、在来線は1日最大9往復程度運行し、合計で約1万キロ走行させる。

 不具合を巡っては部品に改良を加え、今年5月から改良台車の屋内試験を実施した。荷重をかけた試験で摩耗が確認され、高速回転試験では車軸の揺れも発生した。対応のための維持管理費が通常の新幹線の約3倍に膨らむ試算が出たため、年度内としていた耐久走行試験再開の判断を来年初夏に先送りし、検証のための走行試験実施を決めた。

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