JR九州は17日のダイヤ改正で、新幹線と在来線の全22路線で発足以来最大の計117本の減便に踏み切る。単体での鉄道事業は、会計処理に伴う費用軽減分を考慮しなければ2017年3月期で87億円の赤字だが、今回の合理化での収支改善効果は人件費を除けば数億円とみられ、目標とする赤字解消への道は遠い。追加的な合理化策を迫られるのは必至で、沿線自治体は警戒している。

 JR九州は17年12月に全体の3・7%に相当する減便を盛り込んだ改正計画を公表。事前説明が不十分とする沿線自治体から猛反発を招いた。見直し要望が相次いだが、減便本数は当初計画を維持した。青柳俊彦社長は「鉄道事業を継続的に運営するため、収支改善を図るのは上場企業として当然の使命だ」と大幅減便の必要性を強調する。

 背景には、民営化後に運行本数を1・8倍に増やした一方、輸送人員は1・3倍にとどまる現状がある。加えて沿線の人口減が見込まれることから、乗車人員に見合った運行ダイヤへの見直しが急務だった。JR九州は17年7月に1キロ当たりの1日平均乗客数を示す「輸送密度」を公表。在来線の半数以上で発足時から悪化し、厳しい運行状況が浮き彫りになった。

 JR九州は路線網を維持する姿勢を示しており、今後焦点となるのは自治体が線路などを保有しJRが運行する「上下分離方式」導入の是非だ。まずは17年7月の九州北部の豪雨で被災した日田彦山線の復旧に関し、自治体との間で負担を巡る議論を始めたい考えだ。ただ自治体には「乗客を増やす取り組みを優先すべきだ」との声も強く、鉄道の在り方に関する議論が激しくなりそうだ。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加