(C)2018 映画「坂道のアポロン」製作委員会  (C)2008 小玉ユキ/小学館

監督/三木孝浩

出演/知念侑李、中川大志、小松菜奈、真野恵里菜、山下容莉枝、松村北斗(SixTONES/ジャニーズJr.)、野間口徹、中村梅雀、ディーン・フジオカ 他

配給/東宝=アスミック・エース

音楽を通じた友情が輝く。懐かしさも感じる青春物語

 コミックが原作の映画は若者向けというイメージ。でも小玉ユキの女性漫画を映画化した『坂道のアポロン』は1960年代の長崎を舞台にした青春映画。懐かしさを呼び覚ますから、より大人の心に響くかもしれない。

 長崎・佐世保の親戚の家で暮らすことになった薫(知念侑李)は、転校先の高校で不良生徒の千太郎(中川大志)、彼の幼なじみの律子(小松菜奈)と知り合う。息抜きでピアノを弾く薫は、ドラムを叩くことが好きな千太郎によって、ジャズの魅力を知る。音楽を通していつも一緒の時間を過ごすようになる3人。しかし薫は律子が好きで、律子は千太郎を思い、千太郎はそれに全く気付かない。そんな3人の友情と恋模様が描かれる。

 家の中で孤独を感じている薫が、明るく自由な千太郎に憧れる。そして独りでピアノを弾くよりセッションすることの楽しさを知る。2人の友情に、即興演奏が魅力のひとつでもあるジャズがうまくはまっている。実際に彼らが一緒に演奏する場面は心が踊る。さらに3人が光であふれる海辺を歩くシーンは、まさにキラキラした青春映画という感じ。演じる若い俳優の佐世保弁が正しいのかどうかは、福岡県で生まれ育ち両親が佐賀県出身である私には判断できないが。

 学校や坂道、美しい海の風景は佐世保市で、昭和の町並みは大分県豊後高田市にある「昭和の町」で撮影された。町にオート三輪が走り、今はなきレコード店があり、その壁の棚にはレコード針が並ぶ。薫が公衆電話を前に10円玉をたくさん用意して、ドキドキしながら電話をかける。そんな場面も、ほのぼのと温かい気持ちにさせてくれるのだ。(シネマライター・KAORU)

Side Story

演奏シーンが見どころ

 クライマックスは薫と千太郎が高校の文化祭でジャズを演奏するシーン。知念侑李と中川大志がそれぞれピアノとドラムを実際に演奏できるまでに猛特訓したそう。また薫が最初にレコード店の地下室でセッションする場面では、音楽活動も行っているディーン・フジオカがトランペットと歌を披露している。

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