犯罪被害者の支援や権利の確立を目指し、2000年1月に設立された全国犯罪被害者の会(あすの会)が6月に解散すると決めたことが12日、分かった。犯罪被害者基本法の創設など、一定の目標を達したことや、会員の高齢化が理由。

 同会は11日に東京都内で大会を開き「会の存続は6月3日まで」とする規約改正案を承認した。

 岡村勲弁護士が、ほかの被害者遺族とともに設立。山一証券の代理人だった岡村弁護士が1997年10月、顧客の男に妻=当時(63)=を刺殺され、自身が被害者遺族となったことがきっかけだった。会員は約350人。

 同会などの活動で04年、被害者の権利を保護する犯罪被害者基本法が成立。08年に被害者参加制度が導入され、被害者らが刑事裁判の法廷で被告に質問できるようになった。

 副代表幹事の高橋正人弁護士は「18年間で、被害者の司法における立場は格段に向上した。それが一番の功績だったと思う」と話した。

 あすの会の会員で、九州・沖縄の犯罪被害者や家族らでつくる「みどりの風」代表の廣瀬小百合さん(67)=鳥栖市=は「(解散は)寂しい」と述べつつ「会員数の減少は犯罪被害者の地位向上の証し」と前向きに捉えた。全国的な拠点はなくなるが、「各地域の団体で活動を続け、情報を共有できれば」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加