7年前の東日本大震災や福島第1原発事故を受けて、佐賀県内に身を寄せた人たちを対象にしたアンケート調査。暮らしが落ち着いて定住を視野に入れている人がいる一方、「震災前のような気持ちで生活することは無理」と、整理できない思いを抱えながら、日々の生活に精いっぱいという人もいる。

 「嫁いだ娘のところで楽しく暮らしている」(80代男性)

 「佐賀でも同じ職業を続けることができ、戸建て住宅も購入し不自由はない」(茨城県から避難の男性)

 こうした声に象徴されるように、佐賀での生活について17人中11人が「落ち着いた」と回答した。困っていることを尋ねると、3人が無回答か「特にない」と答えた。定住を考える人は11人に上った。

 根付こうとしている人がいる一方で、被災地に残る親族や自宅との二重生活に整理がつかず、将来の展望に迷いを隠せない人も少なくない。

 40代女性は「震災後に生まれた子どもたちは福島を知らないけれど、福島を忘れることはできないし、佐賀での暮らしは仮の場所」と吐露し、今後の対応は「迷っている」と葛藤を明かした。子ども2人と移り住み、夫と離れて暮らす40代女性は「(相互に行き来する)旅費や体力的、時間的な負担が大きい」とし、今後については「全くのノープラン」と答えた。

 原発事故後の政府や東京電力の対応への疑問や不信ものぞく。「突然、故郷を奪われ、何年も家に帰れず、除染をして政府が決めた時期に急に『帰ってもいいよ』と投げ出されても簡単にはいかない。除染は完璧ではない」(40代女性)、「放射能汚染や放射性物質の影響など真実は隠されているんじゃないかという不信感は拭えない」(30代女性)という直言もあった。

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