東日本大震災の発生から11日で7年。佐賀新聞社は、被災地などから佐賀県内に避難や移住をしている53世帯を対象にアンケート調査を実施した。生活再建が進む一方で「震災への関心の薄れ」や「福島第1原発の廃炉作業の進ちょく」を懸念する声が目立ち、記憶の風化や、進まない「放射線との戦い」を複雑な思いで見つめる姿が浮かぶ。

 アンケートは2月中旬に送付し、17世帯(人)から回答を得た。被災前の居住地は福島14人、茨城と山形が各1人、不明1人。

 佐賀での生活状況に関する問いには11人が「落ち着いた」と回答した。「すぐに仕事が見つかり、友人、知人も増えた」(40代女性)などと、生活基盤が整った様子をうかがわせる内容が多かった。中には「知り合いがおらず孤独」(30代女性)、「福島の友人との電話で何とか気が休まるが、近所とは交流がない」(70代男性)と、なじめずにいる状況もある。

 震災前の自宅に「戻りたい」と回答した人はおらず、3人が「できれば戻りたい」と答えた。一方、「戻りたくない」と考える人は7人で、「できれば戻りたくない」とした1人を合わせると47%を占めた。佐賀新聞社が震災翌年の2012年に実施した同様のアンケートでは「戻りたい」が40・5%、「戻りたくない」が35・7%だった。

 今の生活で困っていること(複数回答)で最も多かったのは「生活資金」「住まい」「自分や家族の健康」で、それぞれ4人が挙げた。また、3人が「育児・子育て」「子どもの教育・進学先」と回答した。福島県は自主避難者への住宅無償提供を一部を除き16年度で終了しており、「無償期間が終わって生活が厳しい」(30代女性)との声も寄せられた。子育てでは「地元じゃないので、いざという時に頼れる人がいない」(40代女性)という悩みもあった。

 最も心配で不安な点を尋ねたところ、5人が「震災への関心の薄れ」と答え、「福島第1原発の廃炉作業の進ちょく」が4人、「公的支援の段階的縮小」が3人で続いた。「関心が薄れると、公的支援や支援団体の活動縮小、被災地や避難者への誤解・風評などいろんなものに影響が出る」(40代女性)、「年を追うごとに原発関連の報道が少なくなっている気がする」(60代男性)と指摘した。

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