文化審議会が国重文に指定するよう答申した「色絵椿文大皿 鍋島(染付)」(公益財団法人鍋島報效会所蔵)

文化審議会が国重文に指定するよう答申した「色絵椿文大皿 鍋島(色絵)」(公益財団法人鍋島報效会所蔵)

 国の文化審議会(馬渕明子会長)は9日、佐賀市の鍋島報效会が所蔵する「色絵椿文(つばきもん)大皿 鍋島」2枚を重要文化財(美術工芸品)に指定するよう林芳正文部科学大臣に答申した。佐賀県内の陶磁器では、2013年に指定された「色絵山水竹鳥文輪花大皿 鍋島」に続き4件目になる。

 色絵椿文大皿は、2枚ともに直径30センチを超える優美な大皿。中央を彩る椿文は、黄、茶、赤など多彩な色絵で綿密に描かれる。文様の輪郭が、染付(口径38・7センチ、高さ9・7センチ、底径19・5センチ)と、黒の色絵(口径39・1センチ、高さ9・4センチ、底径20・3センチ)で描き分けられる。佐賀藩初代藩主・鍋島勝茂が所有したと記録される。

 藩直営の窯が大川内山(伊万里)に移る前の1650年代に、岩谷川内(有田)の藩窯で製作されたと推定。染付の表現は鍋島焼に定着し、色絵は柿右衛門様式などに受け継がれたと考えられ、「初期鍋島焼を考える上で重要な作品」(文化審議会)として指定を受けた。

 鍋島報效会の富田紘次主任学芸員は「佐賀で生み出された鍋島の歴史的な価値が評価された。ここに始まる佐賀の焼き物が改めて注目される機会になれば」と話している。

 県内の国重文指定の美術工芸品は42件になる。

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