国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡る訴訟で開門を求めている漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長が9日、佐賀市の佐賀県有明海漁協の幹部と面談し、開門しないで国の基金案による解決を図る福岡高裁の和解勧告を拒否したことを報告した。和解協議が決裂する見通しも示し、漁協側からは「当事者の双方が求めた和解による解決にならないのは残念」との声が上がった。

 非公開で行われ、漁協側は徳永重昭組合長や漁業不振が深刻な県西南部5支所の運営委員長が応じた。馬奈木団長は4月10日予定の和解協議も「出るつもりはない」と説明した。

 面談後、徳永組合長は「非常に残念な方向。和解ではなく判決で再生につながればいいが、そういう感覚ではない」と述べた。西南部地区の岩永強・新有明支所運営委員長は「訴訟当事者ではないが、有明海再生を願う立場で国にお願いすることもある。幹部だけでなく組合員を含めて考えないといけない」と語った。

 また、馬奈木団長は、和解勧告を即刻拒否したのを斎藤健農相が疑問視したことに対し、昨年の長崎地裁の和解協議で国側が開門を含めた議論に応じない姿勢を示した経緯に触れ、「テーブルに着かずに拒否したのは国の方。忘れているなら農相としてとんでもなく、知らないのなら恥ずかしい話だ」と非難した。

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