交通安全を呼びかける「アッちゃん人形」=武雄市若木町

江越千秋さん=武雄市若木町(2014年1月撮影)

リバーシブルの裏表と高齢者用「アッちゃん人形」と江越久枝さん=佐賀市の自宅

 武雄市内を車で走っていると、道路脇にかわいい子どものイラストが描かれた看板が何枚も並んでいる。交通安全の願いをこめて制作したのは武雄市若木町の江越千秋さん(85)久枝さん(84)夫妻。四半世紀にわたり4千枚以上を手作りしてきた。願いが通じたのか、人口10万人あたりの人身交通事故件数が5年連続で全国ワーストだった佐賀県は昨年、ようやく不名誉な位置から脱出。それでも負傷者数は7年連続のワーストが続き、2人は「これからも安全第一で」と呼び掛ける。

 長年にわたり若木町交通安全協会会長を務めた千秋さんは「子どもたちを事故から守りたい」と92年ごろから、得意の木工の腕を生かし、人形看板を作るようになった。「運転手が『アッ』と気づいて気を引き締めてくれたら」という思いから「アッちゃん人形」と命名した。

 「うちにも小さい子がいるから門の前に置きたい」というご近所の要望に応えていると、うわさを聞きつけた人が市内外から人形を求めて訪れるように。多い年には数百枚も作った。

 幼稚園や小学校近隣だけでなく、ゲートボール場などに集まる年配者のために高齢者をかたどった人形も作った。裏と表に男児と女児を描いたリバーシブル人形も好評を博していたという。

 千秋さんは昨年末から体調を崩して入院生活中。新たな看板を作るのは難しくなった。久枝さんは「うちの家の近くにも、まだまだひやっとするポイントは多い。これからも安全運転を心掛けて」と願う。

 武雄地区交通安全協会の森正義事務局長は「人形が周辺児童の交通安全に多大な効果を生んでいるのは間違いない。長年地域の安全にご尽力された江越さんには大変に感謝している」と話していた。

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