■「違い」認め合う大切さ訴え

 森さんは、居住地で発生した外国人に対する事件から、人権の視点で外国人について考えました。そして、人として日本人も外国人も変わらないこと、互いに思いやることが大切。そのためには、相手を理解することが必要で、外国人とふれあい、異文化を知ることだと伝えています。

 最近、外国人の訪日は急増しています。特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動(ヘイトスピーチ)が社会的問題となっていますが、本年6月3日に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」が施行されました。身近になった外国人への偏見をなくし、異文化共生社会の構築は急務です。

 浅沼さんは、障がい者や児童福祉施設での体験を通じ多くを学びました。一人一人の事情は違うけれど、皆一生懸命生きており、かけがえのない存在である。互いに認め合い、助け合い、支え合うことが大切。また、障がい者福祉施設で起こった殺傷事件にもふれ、皆に生きる権利があるんだと強く訴えています。

 誰にも等しく人間らしく生きる権利がある。それが人権です。自分にもあるが、他人にも同様にあるのです。決して侵してはなりません。

 今夏は、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開催され、多くの感動が生まれました。特にハンディのある方々のはつらつとしたプレーは圧巻でした。4年後は東京に世界中から人々が集まります。人種・障がいの有無など違いを理解し、自然に受け入れ、互いを認め合う共生社会「ユニバーサル社会」の実現に向けて、みんなで取り組んでいかねばなりません。

 今回も、県内中学生の約8割が一番身近ないじめ問題をはじめ、多様な人権問題をテーマに作文を書いてくれました。文章にすることで、新たな気付きや発見もあったことでしょう。

 幅広い人権問題に関心を持ち、人権意識を深めている中学生の皆さんが、大人に成長した時、悲しい事件のない、人権が配慮された地域社会の一役を担ってくれることを願ってやみません。

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