ファンド活用による地域活性化モデルを構築したとして、表彰を受けた県内8金融機関の頭取ら。手前はファンドで開発された日本酒=福岡市の福岡合同庁舎

 佐賀県内の金融機関が設立したファンドによるまちづくりと6次産業化の支援事例2件が、地方創生に関する内閣府表彰を受けた。全国の金融機関が顧客の開拓を目指し、地域一体となった地方創生の取り組みを強める中、商品開発だけでなく、観光振興につなげる構想と実績が評価された。

 表彰を受けたのは、県内8金融機関と政府系ファンドでつくる「佐賀観光活性化ファンド」による有田町のまちづくりと、佐賀銀行の「6次産業化応援ファンド」を通じた地域ブランドづくり。内閣府などが昨年から、地方創生に資する金融機関などの特徴的な取り組み事例を表彰しており、今回は全国55機関の37事例を選び、2月27日に福岡市で表彰した。

 活性化ファンドは佐賀銀行、佐賀共栄銀行、唐津、佐賀、伊万里、九州ひぜんの各信用金庫、佐賀東と佐賀西信用組合、政府系ファンドの地域経済活性化支援機構が設立。有田町の観光振興を2015年から支援している。

 有田商工会議所が設立した「有田まちづくり公社」に1千万円、古民家での物販・飲食事業に5千万円を投資したほか、職員を派遣して経営ノウハウを提供。昨年秋のイベント「有田まちなかフェスティバル」の来場者数は前年から倍増し、3万人を超えた。

 佐賀銀行は、応援ファンドを通じて鹿島市の峰松酒造場に約1490万円を投資し、県産米100%の日本酒「肥前浜宿」、あられ、バウムクーヘンの開発を後押しした。

 金融支援に加え、取引先の開拓などで原料調達から生産、販売体制の構築までサポート。市内の酒蔵通りに設けた新店舗で販売するなど、新たな観光資源の創出にもつなげている。

 国の補助金で地方の活性化を誘導するのではなく、地域経済に詳しい金融機関が投資や人的支援で自立を促す取り組みは各地で本格化しつつある。

 佐賀共栄銀行の二宮洋二頭取は「目に見える結果が少しずつ出てきた。成功体験を積み上げ、投資案件をもっと増やしたい」と話し、佐賀銀行の陣内芳博頭取は「流通や市場という視点からものづくり、まちづくりを考える取り組み。有田だけでなく、県内全域に広がっていけば」と述べた。

このエントリーをはてなブックマークに追加