国営諫早湾干拓事業(長崎県)の干拓地で野鳥による農作物への食害対策を怠ったとして、農業生産法人2社が、国や長崎県、農地貸主の県農業振興公社に計200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であり、被告側は請求棄却を求めた。

 訴状などによると、2社はマツオファーム(松尾公春社長)とグリーンファーム(勝田考政社長)。収穫予定だったレタスやブロッコリーが今年1月、野生のカモによる食害を受けた。事業で設けられた調整池にカモが飛来するようになり、防除などを要請してきたが、措置を講じなかったと訴えている。

 2月26日に提出した追加請求では、調整池に海水を導入する以外に渡り鳥の食害を防ぐ方法はないとして、潮受け堤防排水門の開門を求めた。調整池の淡水化によって農地一帯の気温調節機能が失われたとも主張している。被告側は次回以降、追加分に回答する。

 2社は開門を求めている漁業者側原告団に加わる方針。松尾社長は取材に「調整池があるために厳しい状況に置かれた。干拓農地の現状を知ってもらい、漁業者との共存の道を考えていきたい」と述べた。

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