森林活用をテーマに語り合ったシンポジウム=3日、佐賀市の県林業試験場

森林空間の活用について質問する参加者

 森林空間の活用を語り合うシンポジウム(県主催)が3日、佐賀市大和町の県林業試験場であった。廃園寸前のキャンプ場を現代の“ワンダーランド”に再生させた大分県中津市本耶馬渓町の夫妻の歩みなど四つの事例報告があり、直面した壁や、それを乗り越えられた気づきと工夫などを紹介した。

 

 報告したのは、中津市にある森の中の宿泊施設「バルンバルンの森」、佐賀市富士町の苣木(ちやのき)自治会、佐賀市の「森林浴ガイドの会」、伊万里市の「八幡の会」。

 バルンバルンを経営する田代じゅんこさん・和徳さん夫妻は「こんなふうになったら」とイメージを膨らませるのが好きな妻と、もの作りが得意な夫が常に対話を重ねて夢あふれる森の空間をつくり上げてきた。

 16年前、キャンプ場の運営を引き継いだが、やがて「私たちがやりたいのは、みんなが思わず笑顔になる森の空間づくり」と気付く。通年利用に変更しようと人の目を引く「バルン―」に名称変更。ツリーハウスを整備した。看板やバンガローのドアなど細部まで色・デザインなど全てに気を配り、手間暇をかけて磨き上げた。客を喜ばせようと、葉にメッセージを書いてプレゼントした。

 来場者は1年目120人にとどまったが、徐々に親子連れや女子会などが増加。SNSで拡散して人気となり、2017年は4千人に達した。2人は「お金がなかったからこそ、こつこつ時間をかけて自分たちらしい空間をつくってきた。それを『感動した』『かわいい』と気に入ってもらえた」と振り返った。

 続いて、苣木地区の水田浩治会長は地元の山林を福岡市などのマウンテンバイクを楽しむグループに開放。高齢化して手が足りない生活道路の草刈りなどの公役(くやく)を、その若者らが手伝い、移住希望者が出るほどまでになっている交流の様子を語った。

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