「何をしている会社ですか」という問いに、どう答えるか。「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助は、従業員にこう答えさせたという。「人をつくるところでございます。併せて電気器具もつくっております」◆きょうは、松下が1918(大正7)年に松下電気器具製作所(現在のパナソニック)を創業して100年に当たる。どれほど素晴らしい技術やシステムを開発し、組織体制を整えようとも、肝心の人を育てなければ企業は回らない。その信念が、「人をつくるところ」という言葉につながったのだろう◆「企業は社会の公器」と考えた松下なら、最近の不祥事続きの日本企業を一喝するに違いない。鋼材の強度が十分あるかのごとくデータを偽装したり、会計をいじって利益を水増ししたり、巨額工事に群がり談合に手を染めたり。社会的な信頼なんぞ、どこ吹く風といわんばかりの利益優先ぶりである◆就職戦線がスタートした。深刻な人手不足を背景に、学生に有利な“売り手市場”が続く。佐賀大学でも会社説明会が始まったが、学生たちは「自分のやりたいことができる就職先を慎重に選んでいる」という。働きやすく、自らを成長させてくれる職場を求めているわけだ◆企業が学生から選ばれる時代。「人をつくっています」と胸を張れる企業が、どれだけあるだろうか。(史)

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