国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題を巡り、国が開門しない代わりの解決策として示す100億円の基金案。「有明海再生に向けた取り組みの加速化」を掲げて水産資源を回復させる事業を推進し、佐賀など沿岸4県の自治体と漁業団体で管理・運営する内容となっている。

 基金は「有明海振興基金」(仮称)とし、従来の再生事業に加えて漁業者のニーズに合わせた柔軟な取り組みが可能になり、新たな生産技術の導入や設備の補強などを支援できることもメリットに挙げる。4県と各漁協で一般社団法人を設立し、基金の管理や取り組みへの助成、調査・研究、啓発を行う。

 開門派漁業者の弁護団は「12年にわたる再生事業は奏功しておらず、一時的な対症療法だけでは宝の海は戻ってこない」と効果を疑問視する。国は「仮に和解協議で成案とならなければ基金案の実現は難しい」との認識を示す。基金案は2016~17年に長崎地裁の開門差し止め訴訟の和解協議で示され、佐賀県側が受け入れを了承せずに成立しなかった。

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