記念イベントでは、かつて標的があったとされる方角に向けて5発の空砲を打ち鳴らした=佐賀市大和町川上

主催者あいさつで「地域を見つめ直すきっかけになれば」と語った川上校区まちづくり協議会の副島義和会長=佐賀市大和町川上

 佐賀市大和町の川上校区まちづくり協議会と同校区自治会長会は4日、幕末維新期に佐賀藩が砲撃演習していたとされる同校区の大砲試射場「大久保台場」跡などで、明治維新150年の記念イベントを開いた。参加した住民たちと共に地元の歴史を思い起こし、台場から北に約600メートル、かつて標的があったという山の中腹に再現した船形の的に向けて空砲5発を打ち鳴らした。

 試射場は佐賀藩10代藩主鍋島直正が設置し、安政元(1854)年から十数年間、演習が行われていたという。現在は協議会や市が協力して大砲のレプリカや案内板を設けており、この日は遺構調査を続けてきた協議会のメンバーらが、台場に集まった約200人に経過を報告した。

 同校区老人クラブ元会長で、ボランティアガイドを務める堤和之さん(82)は、台場から南北約600~1700メートル先に旗や船を模した標的を立て、試射を繰り返したという当時の様子を紹介。参加者は佐賀藩の高い砲撃能力に関心を寄せて聞き入った。

 校区公民館では、ミカン畑の開墾時などに周辺で見つかった砲弾や関連資料を展示。川上小6年生や大和中2年生たちが調べた地域の歴史も発表した。

 イベント費用約100万円のうち、県の補助を除いた約30万円はインターネットで資金を募るクラウドファンディングで調達。大勢の住民から資金が寄せられたという。協議会の副島義和会長(78)は「150年の節目を機に地域の足元を見つめ、忘れかけた歴史を伝え、つないでいく機運を高めていきたい」と話した。

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