コハダ漁師の妻らが参加した女性たちは、県職員も交えて活発に意見を交わした=藤津郡太良町の光福寺

 藤津郡太良町竹崎のコハダ(コノシロ)漁師の妻たちが勉強会を開き、新鮮なコハダを活用した地域活性化への取り組みを進めている。竹崎は佐賀県内で唯一コハダ漁をしている地域で、水揚げされた魚は東京都内の高級すし店のすしネタとして消費されている。高級魚の産地を広くアピールし、地元消費につなげるなど地の利を生かせる妙案がないか、県の助言を受けながら模索する。

 「コハダを食べるなら銀座か佐賀かというキャッチフレーズで売ったら面白いのでは」「(コハダが好きという俳優の)綾野剛さんを竹崎に呼びましょうよ」。11月下旬、陽光が差し込む竹崎の光福寺で開かれた初めての勉強会。参加した地元の女性8人が紅茶やお菓子を片手に、県職員らと活発に意見を交わした。

 コハダは成長段階によってシンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前が変わる出世魚で、竹崎ではツナシと呼ばれる。「江戸前ずし」の光りものの代表格とされている。県有明海漁協大浦支所によると、竹崎で通年でコハダ漁をしているのは20軒程度という。

 県によると、全国で水揚げされるコハダは年間約6300トンで、佐賀は全体の4%。ただ、年間約600トンを扱う築地など東京の市場では、佐賀からの入荷分が4割前後を占める。銀座などの高級店で提供されるコハダの多くが、竹崎から送られていることになる。

 佐賀県は本年度、人口減少などが特に深刻な中山間地や県境、離島から計5地域を対象に、現場を訪問する支援を始めた。竹崎はその一つで、7月から県職員が足を運んで漁業者の話を聞く中で、「値崩れしないために地元で出荷量を調整し、近所に配るなどしている分が有効活用できるのでは」とコハダの可能性に目を付けた。

 勉強会では、職員からコハダに関するデータが示され、県さが創生推進課の實松尊徳課長が「コハダは鮮度が大事。佐賀だと刺し身でも食べられる」と、空き家を活用して女性たちがコハダ料理を提供する案などを紹介した。女性陣も「出世魚のジンクスを生かし、受験生や就活生にうまくPRできたら」などと意見を出し合った。

 参加した寺田美代子さん(63)は「コハダを地元で消費してもらうことで地域の活性化につながるし、おすし以外にも刺し身とかいろいろな食べ方を知ってほしい」と期待を示す。

 勉強会は今後も定期的に開き、アイデアを煮詰めていく。

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